2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

22 「頑なな王に神がなすしるしをしかと見よ」

王のもとへ行け 支配者の門前に集まれ 王とその取り巻きの心理は 城の石のごとく頑迷だ しかし、わたしは その前でしるしを行う おまえたちはそれを しかと見よ わたしが彼らに何をなすか おまえたちはしかと見よ わたしが主であることを しかと知れ われら…

314  「スター・ウォーズが永遠になる道筋」

「スター・ウォーズ論」(河原一久、NHK出版新書、2015年)スター・ウォーズを、文化/社会、映画史、メッセージ、ルーカスからディズニーへ、といったいくつかの切り口から論じています。映画史における位置づけを述べているところではなじみのない古い映画…

(7) 「目に見えないつながり」

一日に何回、スマホを見ることでしょうか。メールやLINEなどに、あたらしい知らせがないか。返事が来ていないか。どうしても気になります。そして、これによって、誰かとのつながりを感じるときもあれば、はんたいに、孤独が身に沁みることもあります。 「わ…

21「民を縛ることは不正義、民を放つことが正義」

明朝六時 王の門の前に集い 高らかに告げよ わたしの民を解き放て 王ではなく自由に仕えさせよ わたしは、今度こそ、王国を滅ぼす いや、これまでもそうしてきた いくどもそうしてきた さきの疫病でそうすることもできた しかし、王国を生かしておいた 不正…

313  「『順調だ』は問題解決ならぬ問題解消のキーワード」

「精神障害と教会 教会が教会であるために」(向谷地生良、いのちのことば社、2015年)北海道浦河町に、「べてるの家」と呼ばれる、精神障害者などの当事者の活動拠点があります。この家については、ジャーナリストなどが単行本などで紹介し、「一般書」とし…

312  「琉球と神の国」

「待ちつつ、早めつつ〜キリスト道に生きる〜」(饒平名長秀、神愛バプテスト教会、2014年)「沖縄の基地があって初めて憲法九条というのが可能であった」(p.133)。「戦略として一応独立して、それから国家がなくなる方向を、琉球国は率先して探っていく」(p…

311  「歌は永遠なるものに触れた唇から」

句集「龍宮」(照井翠、角川書店、2013年)大津波が押し寄せ、岸をはるかに乗り越え、すべてを倒し、すべてをさらい、海に戻って行った。歌人はそこに立っている。「春の海髪一本も見つからぬ」 「三・一一神はゐないかとても小さい」 「人類の代受苦の枯向…

309「おかあちゃんと火の山」 映画「火の山のマリア」(グアテマラ映画)

グアテマラ先住民の娘、マリア。名前だけは公用語のスペイン語由来だが、母父はスペイン語を話さない貧しい季節労働者。収穫が終われば農園を去らなければならない。娘は二重の意味でマリアだ。中南米の貧しく虐げられる女性。男と子どもの世話をさせられる…

20「わたしの民を解き放て、自由をこそ民の主人とさせよ」

王のもとへ行け 支配者の門(ゲート)に集まれ 声高く彼らに告げよ こぶしより高く声を上げよ われらの神はこう言うと 天の声はこう響くと わたしの民を解き放て 自由をこそ民の主人とさせよ おまえがこれを拒むなら 民を縛り続けるなら おまえの町に疫病を…

310  「たくさんのひとりを救ってください」映画「オデッセイ」(マット・デイモン主演)

2010年チリ鉱山の落盤事故で地底600メートルに取り残され絶望視されていた33人が18日後に生存確認され、2か月後に救出されるということがあった。彼らが地上に引き上げられる日は、ぼくもニュースにくぎ付けになってしまった。映画にする権利が高額で取引さ…

308  「美しいものの愛で合いが呼び覚まされる」

映画「キャロル」(トッド・ヘインズ監督)どうして、恋愛映画では、顔も体も美しい俳優が主役なんだろう。ぼんやりした顔立ちや体の線では、ラブコメディからラブが取れてしまうという懸念があるからか。詩人は、言葉にできない美しいものを、目に見えない…

307  「ナウシカを終わらせてはならない」

映画「シーズンズ」(ジャック・ペラン監督)ヨーロッパの話に出てくる平地の森を歩いてみたいと思っていた。日本の山のような斜面の林ではなく。けれども、この映画によると、かつて自然と動物の王国だった森は人間によって崩壊され、動物は山に移動したと…

306  「死者に訊くことができたもっとも大事なこと」

「死者と生者の市」(李恢成、文藝春秋、1996年)小説の中心舞台が1995年、出版が1996年。そのころ、ぼくは、在日韓国人の人権問題や韓国の民主化闘争に関わる集会によく出かけていたので、この本に出てくるそうしたことがらを少しは聞きかじっていた。同じ…

305  「死者と親友になるまでの二十年」

映画「十字架」(五十嵐匠監督、重松清原作)体育館の倉庫でマットでぐるぐる巻きにして蹴りまくる、ゴキブリを口に入れる。教室の片隅でズボンとブリーフを脱がせ女性の写真を見せ弄ぶ、それを女生徒たちにも見せる。前半は、その凶悪、残酷、激痛、被害者…

(5) 「目に見えない言葉に支えられる」

誰かの言葉に、救われた、支えられた、慰められた、という経験はありませんか。家族や友達の言葉、雑誌や新聞や広告や本で見つけたすてきな言葉、テレビで誰かが語っていた言葉に、勇気をもらったことはありませんか。 高校生三百人に好きな言葉を書いてもら…

負けないいのちの詩19 「自由は支配されない」

負けないいのちの詩19 「自由は支配されない」 わたしの民を解き放て さもなければ、 おまえたちにあぶを放つ あぶはおまえたちを荒れ果てさせる わかった おまえたちを解き放とう だが、この国の外に出てはならない おまえたちを自由にしてやる だが、この…

(6) 「気づいていなかったことに気づかされる」

スター・ウォーズの新作が上映中です。四十年近く前にシリーズ第一作を映画館で観たきりだったので、この際、その後の五つの作品もDVDで観てみることにしました。すると、そこには、これまで知らなかった壮大なドラマ、未知の世界が繰り広げられていました。…

304  「もう一度、「真面目」に生きてみよう。目に見えない、もっとも大切なものを仰いで生きてみよう」

「内村鑑三『代表的日本人』――NHK 100分 de 名著 2016年1月」(若松英輔、NHK出版、2016年)内村鑑三にとって「代表的日本人」とは、自分を越えた大いなる存在とつながって生きた人びとのことでした。この存在は、天、超越、永遠なるもの、神、叡智とも呼ば…

303  「復讐を祈りに持ち込んでも構わないのです」

「詩編を祈る」(W. ブルッゲマン著、吉村和雄訳、日本基督教団出版局、2015年)詩編の祈りは、権力者の暴力、それへの怒りをごまかすような、お行儀のよい、配慮に満ちたようなものではありません。むしろ、著者は、詩編の信仰は「大胆」(p.21)であることを…

誤読ノート302  「相手の言葉の論理や整合性こだわり過ぎて、腹を立てていたんだ」

「イライラしない本 ネガティブ感情の整理法」(齋藤孝、幻冬舎新書、2016年)腹立たしい相手が四人にもなってしまい、憤りが頭から離れてくれずかなり苦しいので、ついこういう本を手に取ってしまいました。この手のハウツーものや、ネタの使い回しになって…

301  「思弁だけでなく感覚を」

「ドストエフスキーの生と死の感覚」(中村健之介、岩波書店、1984年) この本は、題名の通り、ドストエフスキーが生と死に対して抱いている「感覚」、つまり、具体的なイメージについて書かれています。生死に対する彼の「思考」や「思想」「論理」について…

(4) 「目に見えない幸せを感じるとき」

先日、おいしいと評判の佐賀牛を一キロいただきました。そこで、お友達をひとりお招きすることにしました。家族四人でいただけば250グラムずつですが、もうひとり加わり、200グラムずつに減ってしまいました。 けれども、その代わりに、増えたものがあります…

309「おかあちゃんと火の山」 映画「火の山のマリア」(グアテマラ映画)

グアテマラ先住民の娘、マリア。名前だけは公用語のスペイン語由来だが、母父はスペイン語を話さない貧しい季節労働者。収穫が終われば農園を去らなければならない。娘は二重の意味でマリアだ。中南米の貧しく虐げられる女性。男と子どもの世話をさせられる…

18

「彼らの心は頑なだ、わたしもよくわかっている」わたしはあなたたちを かならず解き放つ しかし、王の心は頑なだ すぐには変わらない 主よ、そうなのです 王や家来の心は頑なです だが、あきらめてはならない この杖で水を打て 血に変わる 魚は死ぬ 悪臭が…