明朝六時
王の門の前に集い
高らかに告げよ
わたしの民を解き放て
王ではなく自由に仕えさせよ
わたしは、今度こそ、王国を滅ぼす
いや、これまでもそうしてきた
いくどもそうしてきた
さきの疫病でそうすることもできた
しかし、王国を生かしておいた
不正義がますます明らかになった
正義がいよいよ明らかになった
王国は驕り高ぶり
止まるところを知らない
民を解き放たない
民を縛ることは不正義
民を放つことが正義
見よ、あしたわたしは
雹(ひょう)を降らせる
天に向かって手をあげよ
希望より高くこぶしをあげよ
雹をふらせよ
雷をくだらせよ
稲妻を走らせよ
わかった
もうやめてくれ
雷と雹を止めてくれ
わたしが間違っていた
おまえたちを解き放つ
この町を出たら
天に向かってふたたび
手をあげよう
雷と雹は遠のくだろう
おまえたちは大地が主のもの
であることを知るだろう
けれども、おまえたち王国の者は
まだ主を畏れるには至っていない
おや、雷も雹も止んだようだ
神など恐れることはない
神を主などと呼び
畏れることはない
やつらを解き放つ必要はない