2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
二十世紀のはじめ、日本は朝鮮に侵略し、植民地にした。炭鉱などの労働力として、多くの人びとを日本まで強制連行した。形の上では強制連行ではなかったが、植民地化され、貧しくされたゆえに、日本に来ざるを得ない人びともいた。 それなのに、「勝手に来た…
テレビドラマを観てから、原作のこの本を手に取った。主人公の子どもの中学受験の結果、死者となった別の父子の子どもの母親との再会、ラストシーンなど、感動的だった場面は、ビデオによるオリジナルだったようだ。 原作は派手ではない。奇跡は起こらない。…
おそらく、今、日本語では一番新しく、一番安価な(ラジオ講座用のペーパーバックゆえに税別920円!)聖書学のテキストでしょう。 歴史上のイエスはどんな人物であったか、そのイエスという素材を四つの福音書はどのように味付けしたか。世界レベルの最近の…
「自死を『選択』したのではない。その他に道がなかった、というのである」(p.228)。「先生」の手紙を、若松さんはこのように読む。 自死を選択しようとする人がいれば、止めなければならない。しかし、なされた自死は、文字としては矛盾するが、自ら死んだ…
日本にキリスト教が広まらなければならなかったのか。ならないのか。 キリスト教のもっとも良質な部分(この世界は偶然ここにあるのではなく創造されたものであること、その創造者の意志、愛、無償性、信頼、委ね、正義、平和・・・)が人びとに伝わり、人び…
五人の講演が収録されていますが、まずは、塩谷直也さんの言葉が印象的でした。 「学生たちは愛についての説明が聞きたいのではないのです。そうではなく、愛せない私、愛したけれど裏切られた経験、愛されたけれど相手を見捨てた経験、それを共有したいので…