2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

779 「地球を破壊する資本主義産業、それを支える政治、二元論思考。これに立ち向かうための35のポイントや抜粋」・・・

「資本主義の次に来る世界」(ジェイソン・ヒッケル、2023年、東洋経済新報社) 生命圏としての地球はまもなく破壊され尽くされます。その原因は成長を追求し続ける資本主義産業社会とそれを支える政治にあります。格差を今よりずっと縮める政治ぬきに地球の…

778 「善は個人の美徳なのでしょうか」 ・・・ 「RITA MAGAZINE テクノロジーに利他はあるのか?」(伊藤亜紗/中島岳志/北村匡平/さえ/砂連尾理/三宅美博/三宅陽一郎/稲谷龍彦/藤原辰史/真田純子/塚本由晴/ドミニク・チェン/山本真也/小林せかい/磯﨑憲一郎/木内久美子/國分功一郎/山崎太郎/若松英輔、2024年、ミシマ社)

ソウルメイトから紹介されて、ソクヨミしました。対談とか講演とかだし、東京工業大学関係とは言え、論文集ではなく、MAGAZINEなので、とても読みやすかったです。 最近読んだ「資本主義の次に来る世界」とか「レジリエンスの時代」とか「旧約聖書と環境倫理…

777 「アーメン、ぼくも信じます」 ・・・「ことばのきせき」(若松英輔、2024年、亜紀書房)

若松英輔さんの詩は読みやすい。ぼくは読めていないのかもしれないが、読んでいるようにも思う。 若松さんが紹介するリルケの詩はぼくには読めない。むずかしい。でも、あそこに書かれていることは若松さんがこの詩集で書いていることと同じことなのかもしれ…

776 「格差、差別、戦争、汚染、絶滅を乗り越えるカフェを」 ・・・ 「食べものから学ぶ世界史: 人も自然も壊さない経済とは?」(平賀緑、2021年、岩波ジュニア新書)

「世界史」をふりかえると、人間の口に入る「食べもの」は、支配者の都合によるものだったことをこの本は教えてくれます。 小麦、大麦、コメ、トウモロコシが主食とされたのは、長期間保存、貯蔵、輸送ができたので、支配者の富の蓄積に好都合でした。地中に…

775 「精神科臨床医のおそるべき言語教養」・・・ 「私の日本語雑記」(中井久夫、2022年、岩波書店)

「私は「負うた子に教えられ」を「大蛸に教えられ」と誤解して、どんな蛸かと思っていた時期もあった」(p.153)などというとぼけた一節もあるから、やはり「雑記」でもあるのかもしれない。あるいは、著者にとっては何かを論説しているつもりはないのかも知れ…

774 「あなたも、少しでも今より伝わるお話ができるかも」 ・・・ 「聖書のお話を子どもたちへ」(小見のぞみ、日本キリスト教団出版局、2024)

子どもたちの前での説教が苦手で(むろん、大人たちの前でもそうですが)、この本を読んでみることにしました。すると、子ども説教のみならず、大人説教の参考になることがたくさん書かれていましたので、以下に箇条書きします。 〇「物語る」ことは、原稿や…

773 「旧約聖書には人間と神以外の人格が存在する」・・・「旧約聖書と環境倫理: 人格としての自然世界」(マリ・ヨアスタッド (著)、魯 恩碩 (翻訳)、教文館、2023年)

誤読ノート773 「旧約聖書には人間と神以外の人格が存在する」 「旧約聖書と環境倫理: 人格としての自然世界」(マリ・ヨアスタッド (著)、魯 恩碩 (翻訳)、教文館、2023年) 旧約聖書にみられる以下のような記述は、擬人法ではない、と著者は言います。 「…