2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

747 「イエスの原像は大河ドラマのごとく」・・・ 「イエスの福音 それは本当は何だったのか」(J. M. ロビンソン、新教出版社、2020年)

ある人物の像は伝わる過程で、雪だるまのようになっていく場合がある。雪だるまの中心には何があったのか。イエスの人物像の場合、雪だるまと違い、雪以外のもの、つまり、イエスそのものが存在する。 本書では、イエスは、もともとどういうことを訴え、どう…

746 「キリスト教の断捨離、あるいは、愛の剃刀」 ・・・「疑いながら信じてる50― 新型キリスト教入門 その1」(富田正樹、ヨベル社、2023年)

聖書やキリスト教に向けられる、向けられた、あるいは、向けられそうな疑問に、著者は、理性、論理、思索によって、回答しています。 それを50回繰り返す中で、浮かび上がってくる、あるいは、基調となるメッセージは、「神はわたしを、あなたを、すべての人…

745 「搾取と貧乏がない社会を目指して生きよう」・・・ 「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎、1982年、岩波文庫)

原著は1937年、それに丸山真男の解説をつけて文庫化されたもの。 デジタル化される前の活版印刷だと思われます。ポイントも最近の文庫文より小さいです。でも、老眼でも、読めなくはありませんでした。 「君が大きくなると、一通りは必ず勉強しなければなら…

744 「心の込もった、神学の書き下し文」 ・・・「キリストとともに――世界が広がる神学入門」(阿部仲麻呂、2023年、オリエンス宗教研究所)

「ロゴス=キリスト=神さまからの深い呼びかけ」(p.18)。 これほど易しくかつ優しく「ロゴス」という神学用語を書き下した言葉を、知りません。 「はじめにあったのは、神さまのおもいでした。おもいが神さまの胸のうちにありました。そのおもいこそが、神…

743 「神さまの芸術を伝える写真と詩」 ・・・「天の指揮者」(詩:服部剛、写真:関谷義樹、2020年、ドン・ボスコ社)

詩人はカトリック信者、写真は修道会司祭。 天の指揮者の作品を映した写真に、詩人が言葉を書く。 映像には、目に見えない創造者の息吹がする。 イエスも同じ風景を見、同じ空気を吸ったことだろう。 「「天」という字の中に/「人」が歩いている じっと み…