2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

518 「60年前に洗礼を受けたぼくに 学び直すべきこと」・・・「洗礼を受けるあなたに キリスト教について知ってほしいこと」 (山本光一他、2020年、日本キリスト教団出版局)

本書は五部構成で五人の著者がいます。広告を目にしたとき、「え! この先生がこの手の本の執筆陣にいるとは、意外!」と勝手に思い、ぎゃくに、この先生ならではのユニークな内容に違いない!と確信し、読むことにしました。みごとに裏切られませんでした(^…

517 「人の生がもっと豊かになる切っ掛けをもたらすという使命感」・・・「教会のマネジメント 明日をつくる知恵」 (島田恒、濱野道雄著、2020年、キリスト新聞社)

「教会にマネジメントなどという商業概念を持ち込むのは不適切あるいは不謹慎」と感じる人もいるかもしれませんが、本著には適切かつ真剣なことが述べられています。 まず、教会のリーダーに求められるのは、何でも自分でやることではなくて、むしろ、「人に…

誤読516「形容詞付きの文学/神学は、文学/神学でしょうか」・・・「小林多喜二――21世紀にどう読むか」 (ノーマ・フィールド、2009年、岩波新書)

小説や文学の目的は何なのでしょうか。小林多喜二の「蟹工船」を初めて読んだ頃の著者は、「『小説とは人の心の襞』を描くのが本領、というイデオロギーに浸っていた」(p.254)そうです。 ところが、著者はやがて「文学の自立とは文学が文学だけを目的とする…

515 「教会と権力と『異端』」 ・・・  「キリスト教史の学び 上」 (越川弘英著、2020年、キリスト新聞社)

ぼくは、高校生の時、日本史や世界史より倫理社会や政治経済の方が好きだった。だから、世界史がわかっていない。それは、キリスト教史を学ぶ基礎ができていない、ということでもある。だから、ぼくは、キリスト教史の本を読むときは、大学入試基礎レベルの…

514 「難民を受け入れるための国外退去通告」・・・   「わたしの信仰――キリスト者として行動する」 (アンゲラ・メルケル著、2018年、新教出版社)

キリスト教の聖書とドイツの政治理念には共通点があるとメルケルは述べます。すなわち、創世記によれば「人間は神の似姿として、神によって創られ、自由に生きるべく召されている」(p.96)のであり、ドイツ基本法第一条によれば「人間の尊厳は不可侵である」…