2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

12 「九条グランパたち」

「日本語教室」 井上ひさし 井上ひさしさんが死んで一年余り、未完のものも含まれるいくつかの小説、それから、インタビューや講演を起こしたものの出版が続きます。この本は上智大学での十年前の連続講演を文字にしています。 「が」と「は」の違い、音節数…

14 「無理にでも連れて」 

「通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ」(ルカ14:23)。ここでいう人々とは「貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人」(14:21)のことでしょう。 目の見えない人を無理にでも連れていく。ここ…

13 「バラバラか様々か」

「バラバラか様々か」 使徒言行録2章に、イエスの弟子たちが集まっていると、激しい風が吹き、炎や舌のような形をしたものが一人一人の頭上にあらわれ、彼らはさまざまな言語を語るようになった、とあります。 この記事に基づいて、キリスト教会では聖霊降…

11 「傾聴、そして」

「カウンセリング入門」 佐治守夫著 ひたすら人の話にじっと耳を傾ける、自分の思いではなくその人の声に集中する、これは、習得できないなりにも、傾聴に関する何冊かの本に時おり目を通しながら、ここ二十年間、意識の中に保とうとしてきた姿勢でしたが、…

12 「弟子にするのではなく、友になる」

マタイ福音書の最後の数節は、イエスを信じない人に教えを伝え、洗礼をほどこし、信者とすることを、イエス自らが命じているように読まれることが多いと思います。けれども、はたして、そのような読みでいいのでしょうか。すくなくとも、そのような読みだけ…

10 「金と土地の使い方」

「黄金の騎士団」 井上ひさし 親とわかれて乳児のころから「聖母の騎士園」で生きてきた子どもたちが、数百億円のお金をいのちがけで手に入れ、買おうとしたものは、とある村でした。彼らはそこに日本版ベンポスタを築こうとしていたのです。 つぶれかかりそ…