2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

誤読ノート207 「雨はまた降り、また上がる」  「洗脳 地獄の12

誤読ノート207 「雨はまた降り、また上がる」 「洗脳 地獄の12年からの生還」(Tosh1著、2014年、講談社) “Endless Rain” 曲、詞、奏楽、歌唱、どれもすばらしい。ロック・バラードの名曲。 ぼくはこの曲しか知りませんが、カルトから脱出したTosh1さんを支…

206 「1930年代、2010年代、現在の状況での信仰」

「現代信仰問答」(ボンヘッファー著、森野善右衛門訳、1961年、新教出版社) 1930年代、ナチスが台頭し、ヒットラーが君臨していくドイツで書かれた信仰問答。ルター派の信仰、神学をじゅうぶんに踏まえながらも、その時代を反映していると思われる記述も目…

205 「弾圧の理由はキリスト教の不寛容さにあった?」

「はじめて読む人のローマ史1200年」(本村凌二、2014年、祥伝社新書) ローマ史入門の新書であり、映画化もされたコミック、テルマエ・ロマエに便乗しているようにも思えるが(帯にそのコミック作家によるカエサルのイラストさえある!)、著者は、東大名誉…

204 「学問とオカルト、神秘と俗物の同居」

「不思議なくらい次々と自分に奇跡を起こす心の魔法40: どんな“悩み”もパッと消えさる心理術」(諸富祥彦、2013年、三笠書房) いかにもいかがわしいタイトルですし、「不思議」でも「次々」でも「奇跡」でも「どんな」でも「パッと」でも「心理術」でもあり…

203 「神と人生への服従、偶像と時代への抵抗」

「服従と抵抗への道 ボンヘッファーの生涯」(森平太、1964年、新教出版社) ボンヘッファーがナチズムと闘ったのは1930年代。「日本のキリスト者が真に教会的・政治的なあり方を厳しく問われている今日」(p.349)と著者が自覚しつつ本書を出したのが50年前。…

202 「唄は、かき消されない」

「東北を聴く −民謡の原点を訪ねて」(佐々木幹郎、2014年、岩波新書) よそ者の詩人が、大震災後の東北を訪ね、民謡を聴く。ひとの声を聴く。二代目高橋竹山とともに。 大船渡の六十代女性。「唄うたってる声が聴こえてきましたよ。潰れた家の下から・・・…