2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

(87)「わたしたちの親子関係は、神さまとわたしたちの関係に良く似ています」

「そして父になる」という映画がありました。出生時に病院のミスで、子どもが他の家の子どもと取り違えになってしまいます。小学校入学時にそれが発覚し、そこから、登場人物たちは、親子とは何か、という大きな問いを抱え、苦しんだり、喜んだりすることに…

87    「人をモノにしてはなりません」

気にいらなくなったとか 不都合な点があるとか言って 配偶者を一方的に 離縁してはならない 未婚者であろうと 既婚者であろうと 辱しめてはならない 身体の特徴ゆえに 会衆から排除してはならない 人種・民族・血統ゆえに そうしてもならない 何人をも奴隷と…

(86)  「神は個別面談をしてくださいます」

個別指導塾というものがあります。教師一人に対し生徒が多数では、すべての子にしっかりと伝え、その情報や方法を身につけさせることは難しいからです。その子がどんなことは理解し、どんなことは理解できていないのか、どんな技術は身につけ、どんな技術は…

429「反省なしに繰り返す国」  「歴史と戦争」(半藤一利、幻冬舎新書、2018年)

高校生の子どもに世界史を勧めたかった。これからの何十年、何を学び、何を考えるにしろ、基礎となるからだ。けれども、日本史を選択した。考えてみれば、日本史も有益だ。幕末以降の近代史は、民主主義を学ぶ助けになる。 ぼく自身も日本近代史に興味を持ち…

86    「人を守らなければなりません」

木にかけられた人の体は 手厚く弔いなさい 誰かの遺失物を見つけたら 見ないふりをしてはならない 持ち主に戻るようにしなさい 女が男の着物を身につけてはならない なんてことはない 男が女の着物を着てはならない なんてこともない 神は誰をも ソロモンよ…

428「連合国家か国民国家か、多様性か均質性か」 「ハプスブルク帝国」(岩崎周一、講談社現代新書、2017年)

ぼくは世界史が苦手でした。なぜなら、フランスならフランス、ドイツならドイツという一国の歴史が同じ場所で続いてきたわけでもなく、また、「国」という概念も、かならずしも現在のそれと一致しないばかりか、ある時代において諸地域を横並びに見ても皆同…

427「移住する民と受け入れる民。無教会キリスト者とメキシコ人の場合」

「漫画 メキシコ榎本殖民史 サムライたちのメキシコ」(上野久原作、2008年) 19世紀後半、メキシコ南部に移住し、原生林を開拓した日本人がいる。ちなみに、東アジアの場合とは違い、土地は武力によって取り上げたものでない。最初は、榎本武揚の計画による…

85    「女性や子どもを虐げてはならない」

捕虜にした美しい女性に 心を引かれても 勝手に妻にしてはならない 十分なものを持たせ 帰らせなければならない お金で売ってはならない 奴隷にしてはならない 誰との間の子であっても 皆等しく扱わなくてはならない 憎む者との間の子であっても ひどい仕打…

426「ぼくは論理的ではなかったかも」 「入門! 論理学」(野矢茂樹、中公新書、2006年)

職場の先輩から「論理学の基礎」という本をいただいた。数学は小中高と不得意ではなかったし、いまでも子どもに「数?」「数A」を教えているので、これもスラスラ読めるだとうと思っていたら、なかなか手ごわかった。論理学の記号も慣れれば、+、−、×、÷のよ…

425「ラテンアメリカの500年を学んで、21世紀の人間抑圧・搾取・弾圧に否を唱える」 「ラテンアメリカ500年 歴史のトルソー」(清水透、岩波書店、2017年)

歴史はいつから始まるのでしょうか。ひとりひとりの生の堆積を歴史と呼ぶなら、歴史はそこに人が現われたときから始まることになります。 しかし、ラテンアメリカには500年以上前には人がいなかったのではありません。ヨーロッパ人がいなかっただけです。先…

(84)  「さようならは、その人との再会のはじまりです」

「さようなら」は別れの言葉ではなくて、いつかはわからないけれども、もういちど会える日が来るという希望。また逢う日を想いつつ、別れる。 これは、ひょっとしたら、日本のポピュラー・ソングだけが独占しているテーマではないかもしれません。別れには、…

424「読みやすい聖書のお話し十編」 「55歳からのキリスト教入門 イエスと歩く道」(小島誠志、日本キリスト教団出版局、2018年)

ぼくがこの本を読もうと思ったのは、タイトルに「55歳」とあるからです。ぼくが57歳でキリスト教に再入門したいということもありますが、それくらいの年齢の人、とくに、うちにはほとんどいない「おじさん」たちに教会に来てほしいと思うからです。この本に…