2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
不思議な本です。第一章では、著者とヴェーバーとの出会いが(著者の言葉によれば)「小説の形式」で書かれています。巻末の資料集には「『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の内容分析」と題された横書きの(資料集以外は縦書き)読書ノートの…
イエズス会の神父さまがロヨラの「霊操」の手法を取り入れてお書きになった黙想の手引きの本ということで、読んでみようと思いました。 黙想においては、「神から徹底的に愛されている実感」「神からの呼びかけ」「何かから解き放たれた実感」「こころの中に…
四人の家族を一度に失った人がいました。その人は、それからはそれ以前にもまして、悲しみを考えるようになりました。自分の悲しみを軸としながら、人間の悲しみを深めるようになりました。悲しみの友もできました。本書の著者たちもそうです。 柳田邦男さん…
全7巻予定の1巻目です。これと2巻目を見る限り、このシリーズはまったくの書下ろしではなく、著者がこれまでに書いたり何かの本に収められていたりする20頁くらいの小文数編を書き直したものに、いくつかの書下ろしを加えたものです。したがって、章と章の流…
573 「倚りかからないために」 「清冽 詩人茨木のり子の肖像」(後藤正治、中公文庫、2014年) 「もはや/できあいの思想には倚りかかりたくない・・・倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ」 十年以上前でしょうか。「倚りかからず」と題された…
「空の空。すべては空」、あるいは、「なんという空しさ、すべては空しい」。「コヘレトの言葉」と呼ばれる旧約聖書の一書物は、この句で有名ですが、小友さんは、「空」「空しさ」は「束の間」と訳すことができると言います。そして、人生は束の間であると…