2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

248  「後藤健二さんを暗闇から引き上げた人」

「ルワンダの祈り 内戦を生きのびた家族の物語」(後藤健二、2008年、汐文社) 後藤健二さんがお亡くなりになった、というのが事実だとしても、後藤さんはひとりで旅だったのではない、取材で出会った人びとの家族、空爆やジェノサイドで殺された家族が、後…

247  「希望は、断定や終息宣言ではない」

「希望の地図 3・11から始まる物語」(重松清、2015年、幻冬舎) 安易な希望や復興キャンペーンではない。「『希望』だけでは被災地を語れないし、『絶望』だけでも語れない」(p.259)。「『その気持ち、わかるよ』とは、もちろん言えない。けれど、わからな…

246  「キリストについて「説明」するのではなく、その心を「語る」こと」

「雪の夜」(小林敬三、2014年、女子パウロ会) 敗戦後、キリスト教に出会い、神父になった著者が、日々の経験や世の中の出来事から聖書のメッセージをしんみりと語った講話集。カトリック信者でいらっしゃるピアノと声楽の先生からクリスマスプレゼントにい…

245  「被災は3・11一日だけではなく、この四年間ずっと続いている」

「被災弱者」(岡田広行、2015年、岩波書店) 被災者は、3月11日に被災しただけではありませんでした。その後の避難生活でも、住宅、仕事、健康、コミュニティなどの問題で、ダメージを受け続けているということをこの本を通して思い知らされました。 新聞記…