2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

149 「池澤夏樹を大統領に」

「終わりと始まり」(池澤夏樹著、朝日新聞社、2013年) 池澤夏樹さんを大統領にして、石牟礼道子とか落合恵子とか大江健三郎とか鶴見俊輔とかによる長老会議をおき、小熊英二とか村上春樹とか斎藤美奈子とか香山リカとかをブレーンにしたら、日本の政治はも…

148 「音楽と他者とぼくとの怪しい関係」

「音楽力が高まる17の『なに?』 だれも教えてくれなかった音楽のヒミツ」(大嶋義実著、共同音楽出版社、2011年) じつは、ぼくは、ピアノと声楽を月に二度ずつ、先生から習っています。仕事やなんやで、半分くらい休講にしていただいてますけど。その先生が…

147 「永遠は永久ではないよね」

「時間について 100の言葉」(リーゼンフェルト編、時間について 100の言葉、2012年) 告白しますと、どなたかからいただいたこの本、トイレで読んでいました(^^;; 一頁に一つずつ、時間についての言葉が載っています。数語のものから、長くても十行。だから…

146 「語りが語りを生み、支える」

「今、いのちを守る (TOMOセレクト 3・11後を生きる)」(片岡輝美著、日本キリスト教団出版局、2012年) 以前から原発反対の考えを持っていた人は少なくないでしょうが、そういう人でも、3・11以後は、あの日福島県に住んでいた人々の声を聞かなければならな…

145 「どの子も聖夜に生まれた」

「せいなるよるのたからもの」(絵と文:クドウあや、新教出版社、2013年) 出生前検査を受けるには切実な事情があるのかも知れません。 「あんしんのため」と言われるそうです。 けれども、この検査で対象となるのは特定の遺伝子だけであり、解説者は「誰ひ…

144 「デクノボーにだけはナレた賢治」

演劇「イーハトーボの劇列車」(脚本:井上ひさし、主演:井上芳雄、2013年) 宮澤賢治の評伝劇。ただし、聖人伝ではない。井上ひさしは賢治を深く読み込み、愛し、その文学の継承者であるのだが、師を美化も神格化もせず、デクノボーとして描く。 父に反発…

143 「クドカンが謝罪を書けば」

映画「謝罪の王様」(脚本:宮藤官九郎、主演:阿部サダヲ、2013年) 拉致者の消息が知れず、反日の火が消えないのは、郷土に侵略し、人々を奴隷とし、殺し、財を奪いつくしたことを、国家、国民として、非道なことをしてしまったと心から反省し、誠実に謝罪…