2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

637 「神学とは親の束縛を乗り越えること」・・・「パウル・ティリッヒ 1 生涯」(ヴィルヘルム&マリオン、ヨルダン社、1979年)

若松英輔さんはカトリックだが、キリスト教だけが正しい宗教などは言わず、むしろ、他の宗教、文学、芸術、思想の中に、世界の根本にあるものの現われを見いだしていく。 ぼくは、神学に触れて40年、ティリッヒを読んだことはなかったが、昨秋、何かを読んで…

636    「預言者もイエスも農に近かった」 ・・・「聖書と農 自然界の中の人の生き方を見直す」(三浦永光、新教出版社、2021年)

農村伝道神学校出身の友人が複数いたり、二年前にこの神学校に比較的近い教会に転任したり、去年からそこで週に一度学ぶようになったり、長野や広島で農業を始めたキリスト教の友人がいたりで、この本を読んでみることにしました。 「アモスが語った正義と恵…

635    「わたしが信じるのではない。信はすでにここにある」・・・ 「〈真実〉のデッサンⅡ」(武田定光、2022年、因速寺出版)

住職のエッセイ集。読みやすいですが、深い思索に基づいています。 わたしは、比較的リベラル、自由なキリスト教の牧師ですが、読んでいて、それは違う、と思うようなところはありませんでした。その通りです、とか、なるほど、そのように考えるのですね、こ…

634    「母殺父殺を待ち受けるもの」・・・ 「別冊NHK100分de名著 集中講義 ドストエフスキー: 五大長編を解読する (教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著)」(亀山郁夫、2021年、NHK出版)

誤読ノート634 「母殺父殺を待ち受けるもの」 「別冊NHK100分de名著 集中講義 ドストエフスキー: 五大長編を解読する (教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著)」(亀山郁夫、2021年、NHK出版) 「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」など、ドストエフスキーの五大…