2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

216「活字から身を起こす詩句」

「茨木のり子集 言の葉 ?」(茨木のり子、2010年、ちくま文庫) 中国から北海道に強制連行された中国人青年を詠んだ「りゅうりぇんれんの物語」という長い詩が目当てで入手しました。沢知恵さんが曲をつけて歌っているのを聞いたのがきっかけです。 吉田清次さ…

215 「ピアノを弾くとはこういうことだったのか」

「左手のコンチェルト 新たな音楽のはじまり」(舘野泉、2008年、佼成出版社) ピアノの先生からいただいた一冊。先生の願いは、ぼくがこの本を読むことだけではなかったと、のちに気づきました。 舘野泉。ヨーロッパ、日本で演奏する第一流ピアニスト。東京芸…

214 「新鮮で、心に沁み込む聖書の読み方」

「聖書入門」(アンゼルム・グリューン著、中道基夫・萩原佳奈子訳、2013年、キリスト新聞社) はじめて聖書を読もうとする人のガイドブックにもなりますが、聖書を何度も読んでいる人、あるいは、教会などで聖書に触れる機会の多い人にとっての、聖書「再」入…

誤読ノート213 「在日韓国人牧師一家から日本住民へのラブレター:ヘイトに抗して」

「行動する預言者 崔昌華(チォエチャンホア) ある在日韓国人牧師の生涯」(田中伸尚、2014年、岩波書店) 中国国境に近い宣川(現在は朝鮮民主主義人民共和国の町)。日本による植民地支配のもと、天皇制教育を受けた少年時代。日本の敗戦による「解放」後は…

212 「歌は自分、それとも、他者」

映画「ゴスペル」(2014年、松永大司監督) 黒人でもない、キリスト者でもない日本住民がゴスペルを歌っています。それをどう考えたら良いのでしょうか。この映画には、そういうテーマがあるように思いました。監督はとくに判断をくだしていないようですが。 …

211 「聖書の内容、その信仰的意味、ちょっとだけ学説も、の三拍子」

「聖書入門 主を畏れることは知恵の初め」(落合建仁/小村尚子、2014年、日本キリスト教団出版局) 聖書にどんなことが書かれているか、旧約、新約各全体にはどんな流れが見られるか、何年経ってもそういうことに自身がないのと、教員や牧師として人様に聖書…