2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
いかなる権力、支配にも従わない。聖書はそう言っている。初期のキリスト教もそうだった。この本が述べていることは、こういうことではないでしょうか。 では、本書が言うアナキズムとはどのようなものでしょうか。 「無秩序という通常の意味とは異なる an-a…
この本は終末論を批判しています。どのような点が批判されているのでしょうか。 わたしは、この本を読むまでは、終末論について肯定的な印象を漠然と抱いていました。それは、わたしたちが生きている社会や歴史には暴力、権力を持つ者たちによる支配、抑圧、…
昨年、「深い河」「女の一生 一部」「女の一生 二部」と読み、感銘を受け、遠藤周作を読み返さなければならないと思い、本作を読んでみました。 しかし、去年読んだ三冊や、ずっと以前に読んだ「沈黙」や「侍」と、本作とでは、読後感がだいぶ違いました。一…
神学は今回のパンデミックを前にしてどのような考察をするのでしょうか。むろん、どういう対策、政策をとるべきかを考えるのではありませんが、かといって、「これは神から人間への罰である」というような思考レベル以前の発言をするのでもありません。 「私…
もうじき六十歳になるというころから、残りの人生は、死への滑走時間、死を受け入れる準備期間、とわたしは考えるようになりました。ひとつは、年齢そのものがそう思わせるのですが、もうひとつは、それまでの自分の人生が否定されるような経験、ああこれは…
著者は、神学にも詳しい社会学者です。笑いは社会学の重要なテーマのひとつだと思われますが、バーガーの著述そのもののいたるところにも、ユーモアが散りばめられています。 「自分たちの理論をひどく重大なものと考える性癖では、哲学者は神学者につぐもの…
世界にはいくつもの宗教がありますが、残念ながら、それらの中には、自分たちだけが正しい、他は間違っている、という攻撃性を持っているものもあります。本書はそれを乗り越えようとする試みのひとつであると言えるでしょう。それは、同時に、宗教を問わず…
訳者解説では、「「子どもを救え!」というのがこの作品の核にあるメッセージ」(p.216)と述べられています。執筆当時のロンドンには三万人のストリート・チルドレンがいたそうです。そして、この本の大きな目的は「貧困階級の子どもたちの擁護をイギリス国民…
このシリーズは「概説とその中心となる思想を、わかりやすく・・・平易な記述・・・学生・生徒の参考読物として・・・」出されていることになっていて、たしかに、わかりやすいものもあったのですが、この本はひじょうに難しかったです。 哲学用語、哲学の言…