2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

51 「人間には・・・海の底のような深みがある」

「科学と宗教と死」(加賀乙彦、集英社新書、700円、2012年1月22日) 帯には「医師として、作家として、そして信仰の徒として「死」をめぐる思索の集大成」とありますが、じっさいは、加賀さんのライフヒストリーに沿って、ということは、体験談を交えながら…

50 「〈大震災に負けない日本人の勇気〉をオウム返しに言うより」

「瓦礫の中から言葉を わたしの〈死者〉へ」(辺見庸、NHK出版、740円、2012年1月10日) 「あの人は良い人だった」「あの人も幸せだったんじゃないの」「良い人生だった」「苦しまなくて良かった」「苦しんだけれども良くがんばった」「今ごろは苦しみのない…

49 「根本的には他者によって開かれる自己認識」

「信仰と経験 イエスと〈神の王国〉の福音」(廣石望、新教出版社、2700円、2011年11月30日) 講演を収録したものとのことですが、かなり難しい本でした。 たとえば、「イエス・キリストとは、わたしの人生に外側から与えられるリアリティであると同時に、信…