2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

449 「キリストや聖書とのつながりで読めば、より深い味わい・・・」「銀の椅子 ナルニア国物語?」(C・S・ルイス著、土屋京子訳、光文社古典新訳文庫、2017年)

岩波書店の瀬田貞二訳から五十年ぶりの新訳。ナルニア国物語全七巻中の第六巻。文体も挿絵も、あたらしいゆえの心地良さが、たしかにある。 ナルニア国物語と言えばアスラン、アスランと言えばキリストの比喩、という解釈が定番だが、この本の解説者は、「ア…

448 「ことしのクリスマス最高の新作絵本」 「もうひとりのはかせ」(原作:ヘンリ・ヴァン・ダイク、文:中井俊己、絵:おむらまりこ、新教出版社、2018年)

新約聖書のマタイによる福音書には、イエスがユダヤのベツレヘムで生まれたとき、東の方から占星術の学者たちがやってきて、黄金、乳香、没薬を贈った、という物語が載っている。キリスト教の学校や教会で、観たことや演じたことがある人もいるだろう。 この…

(105)「聖書にも、味わい深い逆説の言葉が満ちあふれています」

急がば回れ、と言います。聞き慣れてしまっていますが、この言葉を初めて聞いたとき、強い印象を受けるのは、急ぐことと回り道をすることが正反対のことだからです。逃げるが勝ち、もそうです。ほんらい、逃げることと勝つことはまるでさかさまのことではな…

《使徒書の御言葉》その94 「わたしたちは誰にも束縛されませんが、キリストにはお仕えします」

コリントの信徒への手紙一3:21 ですから、だれも人間を誇ってはなりません。すべては、あなたがたのものです。3:22 パウロもアポロもケファも、世界も生も死も、今起こっていることも将来起こることも。一切はあなたがたのもの、3:23 あなたがたはキリストの…

20181021 マタイ5:1-12 「悲しんでいる人びとや、一緒に悲しんでいる人びとと、神さまは一緒にいてくださいます」

イエスさまは、とても不思議なことを言っておられました。「悲しむ人々は、幸いである」。悲しんでいる人、悲しいことがあって泣いている人は、幸い、幸せである、という意味になりますが、泣いている人が幸せ、なんて、何か不思議ですよね。 でも、これは、…

447 「絵と文によって、聖書の世界に招き入れられる」  「聖書の風景 小磯良平の聖書挿絵」(岩井健作、新教出版社、2018年)

岩井先生は論客として知られる。とくに、社会におけるキリスト教会、キリスト教徒のあり方について、おりおりに、鋭い見解を展開してこられたと聞く。 どうじに、やさしい先生だ。集会の時など、「一緒に座りましょう」と声をかけてくださったり、一対一で話…

 20181014 マタイ7:15-20 「採点しない神さまに感謝して、自分の成長を祈り求めたい」

皆さん、おはようございます。外見は羊のようにやさしいのに、中身は狼のように怖い人がいます。ほんとうは、外見はどうであれ、中身が羊のようにやさしい人が、わたしたちの生きている世界では、求められているのではないでしょうか。 ぶどうの木は、ぶどう…

(104) 「イエスは、自分を否定した弟子をも、否定することはありませんでした」

父は気の短い人でした。よく怒られ、怒鳴りつけられました。一方的にまくしたてられました。こちらの言うことには耳を傾けてくれませんでした。それでも、父が好きでした。父にほめられたかったし、話を聞いてほしかったのです。 大学に入学したものの、まっ…

 《創造者に導かれる旅》その93 「神さまは、今日、今ここに生きているわたしたちに、聖書を通して語りかけてくださいます」

申命記5:1 モーセは、全イスラエルを呼び集めて言った。イスラエルよ、聞け。今日、わたしは掟と法を語り聞かせる。あなたたちはこれを学び、忠実に守りなさい。5:2 我々の神、主は、ホレブで我々と契約を結ばれた。5:3 主はこの契約を我々の先祖と結ばれた…

20181014 マルコ14:66-72 「イエスさまはどんなことがあってもわたしたちを忘れません」

皆さん、こんにちは。イエスさまは捕まえられて、裁判に連れて行かれてしまいました。お弟子さんのペトロさんは、自分も捕まってしまうかもしれないと、とてもこわかったので、ほかの人にあまり見られないように、こっそりうしろからついていきました。イエ…

446 「人に寄り添う喜びと困惑」 「もう一人の博士」(ヴァン・ダイク、新教出版社、1983年)

タイトルは以前から知っていましたし、もしかしたら読んだこともあるかもしれませんが、昨年のクリスマスに友人が話題にしていて、今年のクリスマスはあたらしい絵とあたらしい文の絵本も出版予定とのことなので、この旧版を読んでみることにしました。 作者…