2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

660   「フリーな牧師のフリーな聖書解釈」・・・「非暴力非まじめ: 包んで問わぬあたたかさ (vol.1)」(櫻井淳司、2022年、ウネリウネラBOOKS)

著者は自身を「どの教会にも属さないフリー牧師」と言っています。聖書の読み方もフリーなこの著者は、非暴の普及促進活動のなかで、この本に現れるユニークな精神を育んできたのでしょう。 「私が考える限り、「非暴力」とは、以下のようなあらゆる「諸力」…

659   「牧師が住職から学ぶこと」 ・・・ 「〈真実〉のデッサン」(武田定光、2021年、因速寺出版)

浄土真宗を学び、僧侶になる直前だった、という方が、いぜんぼくの働いていた教会に通ってくださり、礼拝の説教やキリスト教の読書会などに理解を示してくださり、ひょっとしたら、この方は、キリスト教徒になってくれるのではないかと妄想したことがありま…

658   「組織神学ではなく教義学」 ・・・「教義学要綱」(カール・バルト著、天野有、宮田光雄訳、2020年、新教出版社)

教義学と組織神学はどのように違うのだろうか。 「神には、創造者、御子キリスト、聖霊の三つの位格がある」 「神には、創造者、御子キリスト、聖霊の三つの位格がある、という論がある」 ぼくの中では、とりあえず、前者が教義学であり、後者が組織神学であ…

657   「自分の愛するものを見つければ、生きる喜びが湧く」 ・・・ 「世界は善に満ちている トマス・アクィナス哲学講義」(山本芳久、新潮社、2021年)

好きな人がいたり、好きな本を読んでいたり、好きな連続ドラマを観ていたりすると、私たちは、生きているのが楽しくなり、生きていよう、という思いになります。この本が伝えてくれることは、これに似ているのではないでしょうか。 世界には愛すべきものがた…

656   「教会にはコロナ対策も減少化対策も要らない」 ・・・「「洗礼」をめぐって: 今日聖書はなにを語っているか」(早坂文彦、ヨベル、2021年)

リベラルな先輩がこれいいよ!と勧めてくださったので、すなおに読んでみました。意外にも、ある意味、オーソドックス。でも、やはり、リベラルでした! バプテスマのヨハネは「その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる」(マタイ3:11)と言って…

655  「ようわからん神」・・・「ヤバい神: 不都合な記事による旧約聖書入門」(トーマス・レーマー、新教出版社、2022年)

「ヤバい」とはどういう意味なのか。本書の原題はフランス語で DIEU OBSCUR である。ぼくはフランス語は知らないが、DIEU は「神」で、OBSCURは「暗い、薄暗い、 分かりにくい、難解な、曖昧(あいまい)な,漠然とした,おぼろげな」というような意味のようだ…