2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

123 「肉食青年ロードムービー」

映画「オン・ザ・ロード」 (ウォルター・サレス監督、2013年) 草なんか食ってなかった60年前の若者たちの過剰な肉体。 原作は、「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」の1-1として、青山南訳で出されていたのに誘われて、少し前に読んでいました。でも、スト…

122 「中高年が若い世代の声を聞くデモンストレーションとして」

「40歳以上はもういらない」 (田原総一朗、2013年、PHP新書) 40歳未満の評論家、各種NPO(病児保育、貧困層融資、ブラック企業社員労働相談)代表、シェアハウス企画者、日本紛争予防センター事務局長らと、田原総一朗との対談集。 40歳未満がどんな発想を…

121 「2011年福島の断片を真摯に伝えるコミック」

「ディジー 3・11 女子高生たちの選択」(全二巻)(ももち麗子、2013年、講談社) 2011年度を福島の高校三年生として迎えた四人の物語。 フィクションであり、原作もあるが、ももちさんは、福島の高校生との交流など、綿密な取材と、誠実な思いに基づいて、…

120 「ナザレの男イエスを、ケセンの医師が脚色」

「ナツェラットの男」(山浦玄嗣、2013年、ぷねうま舎) 二千年前のイエスという人物を描くことは、大河ドラマの脚本を書くことに似ています。その試みはイエスの死後百年の間にすでに始まっていますが、そこでは、書き手や読み手にとってのイエスの「意味」…

119 「イエスのイメージをよりゆたかに」

「イエス入門」(リチャード・ボウカム、2013年、新教出版社) 使徒信条にはイエスの誕生と死しか述べられておらず、イエスの行動や発言、思考といった部分が欠けていると言われています。もしわたしたちが使徒信条だけによって、あるいは、「イエス・キリス…

118  「社会活動と沈黙の中で汲み取られる霊性」

「牧者の務めとスピリチュアリティ」(ケネス・リーチ、2004年、聖公会出版社)スピリチュアリティとは、神の心がわたしたちの中に宿りわたしたちを生かすもの、あるいは、わたしたちが自分を超えて神という源を求めるときわたしたちの中に湧き出しわたした…

117  「生まれ変わり、死者を思い続ける」

「生と死についてわたしが思うこと」(姜尚中、2013年、朝日文庫) 息子さんの死と、東日本大震災の死者について、著者がどのように語っているのか、知りたくて、手に取りました。 雑誌「アエラ」に載っていたコラムを集めたものなので、あまり深い掘り下げ…