2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

445 「花も星も、言葉も行動も、すべては永遠と根源を指さしています」

「生きていくうえで、かけがえのないこと」(若松英輔、亜紀書房、2016年) 花の奥には何があるのだろうか。内側へと重なりあう花びらが収束する一点はどこにあるのだろうか。 大地が芽を萌やし出す。湖の底にはこんこんと湧き出る泉がある。それらは、わた…

444 「最悪の今国会と、国会の本来のあり方」   「枝野幸男、魂の3時間大演説 『安倍政権が不信任に足る7つの理由』」(扶桑社、2018年)

「日本人がギャンブルで損をしたカネで海外のカジノ業者を潤わせる」「アメリカに我が国を売るための法律」(p.31-32)カジノ法とは、日本にカジノを作り、アメリカの業者を入らせ、日本にある金をアメリカへと吸い上げるための法律だということなのですね。非…

443 「キリスト教と重なりあう仏教の神髄」 「臨死体験であの世がわかった著者が訳した 超簡単訳 歎異抄・般若心経」(長尾靖浩、銀河書籍、2016年)

「超簡単訳」とありますが、内容編集までしてしまう「超訳」ではなく、学問に根ざした、読みやすく丁寧かつ平易な訳です。 「臨死体験」とありますが、SFやホラーのようなものではなく、そういうことならそうだろう、と納得のいくものです。「そこにはただた…

442 「大学は、アンとギルバートが、知識を得、恋人ができる、つぎのステージ」 「アンの青春」(モンゴメリ著、村岡花子訳、新潮文庫、2008年)

「教養小説」という言葉がある。ビルドゥングス・ロマンというドイツ語の訳語らしい。主人公が経験によって精神を「形成」していく物語のジャンルのことだ。ビルドゥングスには「教養」「形成」という意味がある。 本巻では、アンは16~18歳。まさに、教養を…

441 「教皇いや神父、牧師の土台は、祈り、つまり、神への委ね」

「教皇フランシスコ 12億の信徒を率いる神父の素顔」(マリオ・エスコバル著、新教出版社、2013年) ぼくはプロテスタントの牧師だが、それになるために、そして、なってからも、どれほどの修養を積んできたことだろうか。 本書を読むと、教皇に選ばれるよう…

(101)「〜〜したら、ではなく、今できるだけのことを」 

定年退職後、被災地などでのボランティア活動に打ち込んでいる人びとがいます。ぼくは、宝くじで2億円当たれば、家族で住める住宅を数千万円で買い、残りのお金を二十年の生活費、子どもの学費として、定職には就かず、各地での支援活動、それから、ある種の…

440 「セクシャリティを否定される経験を通して、聖書の悪いところを乗り越え、聖書の中心メッセージに辿り着く」

「あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる」(平良愛香、学研プラス、2017年) 著者が大学で語っている話を学生以外にも伝えたい、という編集者の意図を反映して、この本は、ひとつは、講演調で読みやすく、もうひとつは、基礎的な専…