2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

237 「あふれでる過剰な命」

「そうか、君はカラマーゾフを読んだのか。仕事も人生も成功するドストエフスキー66のメッセージ」(亀山郁夫、2014年、小学館) カラマーゾフをはじめて読んだとき思ったのは、父親をはじめ、登場人物の言葉や行動が過剰だ、ということです。発言は長いし、…

236 「神から湧き出る、すてきな出来事」

「現代のたとえ話」(F・アワズラー原著、鳥羽徳子・鳥羽和雄翻案、1974年、教文館) この世界の目に見えるものの奥底にいる、目に見えない神、ということがさいきん心の中にいつもあります。目に見える花や木や川や水をいまここにあらしめる目に見えない神…

誤読ノート235 「イタコの研究者が、イタコとしての研究者に」

「自閉症者の魂の軌跡 東アジアの『余白』を生きる」(真鍋祐子、2014年、青灯社) 著者の少女時代から東大教授の現在まで。自閉症者の物語。本人は「ロードムービー」つまり「何人もの死者とともになした思索の旅の軌跡」(p.324)と称しています。 とてもお…

234 「ウソであってもイツワリではない」

「教科書の詩をよみかえす」(川崎洋、2011年、ちくま文庫) 茨木のり子さんの「詩のこころを読む」 (岩波ジュニア新書) に紹介されている中で一番とっつきやすそうなのが川崎洋さんだったので、川崎さんの詩を読もうと検索してみると、この本が出てきました…