2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「文章読本」(丸谷才一、1980年、中公文庫) この人の文章なら読みたい。そんな名文を書くにはどうしたらよいのでしょうか。いや、名文などでなくても、読んでよかった、と三回か四回に一度くらい、思っていただけるくらいにはなりたいと。 井上ひさしさん…
誤読ノート189 「まじめに、ふまじめを貫く詩人」 「定本 山之口貘詩集」(原書房; 新装版 2010年) ある日の朝日新聞、一面、最下段。 「他者とどう折り合うか」と題された天声人語。曰く、「沖縄生まれの詩人、山之口貘(ばく)の「存在」という詩は問いか…
「書き出しは誘惑する 小説の楽しみ」(中村邦生著、岩波ジュニア文庫、2014年) この書名に誘惑されました。 ぼくは、毎週、25分の話のために、数千字の原稿を書いていますが、やはり、書き出しに悩みます。それは、そのまま、語り出し、にもなります。これ…
「迷っているけど着くはずだ」(塩谷直也著、新教出版社、2000年)神さま、どうして何もしてくださらないのですか。 神さま、どうしてぼくを見捨てたのですか。 神さま、どうしてぼくをこんなみじめに。ぼくのこの怒りを誰かに向けさせないために、 ぼくのこ…
「それでも僕は夢を見る」(水野敬也作、鉄拳画、文響社、2014年) お風呂屋さんの脱衣所、病院の待合、食堂、ネット喫茶で読むのが良いです。 あの交響曲と同じように、新聞の広告を見て、感動を求めて、買ってしまいました。 でも、何か良いところを見つけ…
「慰めと励ましの言葉 マルティン・ルターにより一日一章」(徳善義和監修、湯川郁子訳、1998年)366の聖書の言葉。毎日、ひとつずつ。そして、ルターの解説。解説と言っても、簡潔で、やさしく、読みやすい。一日一頁。けれども、うつくしく、力強い。詩の…
「ゼツメツ少年」(重松清、新潮社、2013年) その空間の全員が、薄ら笑いを浮かべながら、ぼくを包囲し、こづきまわし、足蹴にし、論理も倫理もない、ただ群れの腕力だけによる、見せかけの屁理屈で、ぼくをなぶりものにし、それが、どこでもどこまでも続け…