2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

742 「霊性を失った世俗化社会における神の国の意味」・・・「キリスト教思想史の諸時代 (7) 現代思想との対決」(金子晴勇、ヨベル、2023年)

目に見えないもの、霊的なもの(この言葉のイメージは多様である)を忘れ、目に見えるもの、あるいは、合理的なもの、測定可能なもの、金、財産、権力、利便などにのみ関心を持つようになることを世俗化と呼ぶなら、本書のテーマは、世俗化、あるいは、無神…

741 「見えないものの言語化と非言語化」・・・「なぜ子どもは神を信じるのか? 人間の宗教性の心理学的研究」(J. L. バレット、教文館、2023年)

小中高生や青年に信仰を伝えるヒントはないかと期待しつつ、読み進めた。 「人間ではなく、目に見えず、私たちの知らないところで世界に作用している行為者(つまり隠れた行為者)の存在に、私たちは敏感である。この能力によって、神について考えることが非…

740 「キリスト教の最良思想は万人平等、万人救済」・・・「キリスト教思想への招待」(田川建三、勁草書房、2004年)

田川建三さんは聖書やキリスト教学者やキリスト教会の問題点をはっきりと指摘するが、良い点は良い点として認めている。 本書をネットの古本屋で買って、20年ぶりに読み返した。届いた本は99%、ぼくが以前に古本屋に売ったものだ。黄色いラインの引き方にぼ…