2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

300  「宇宙のシンパシィ、シンフォニー」

「村上昭夫詩集」(村上昭夫、思潮社、1999年)この詩集は「動物哀歌」と名付けられていますが、村上さんは動物の悲劇を哀しんでいるというよりは、動物の姿の背後に、あるいは、奥底に、永遠、世界の源泉、魂の故郷を見ているのです。これをやや丁寧に表現…

17

「あなたたちはいのちの民となり わたしはあなたのいのちとなる」 わたしは主(ぬし)だ あなたたちのいのちの主だ あらゆるいのちは わたしから湧き出ている わたしはこれまでも いつでもどこでも いのちを湧き出し続けてきた あらゆる歴史の場面で あらゆ…

(3) 「宝くじを買いつづけるだけでなく」

6億円当たれば30年としても毎年2000万円も使える!などと夢見ながら、300円の宝くじを毎週買い続けている人はいないでしょうか。 若いころ、友人と激しいケンカになったことがあります。あなたのこことここが間違っている、自分はこれこれこういうふうに間違…

(2) 「もしかしたら神はいるかも、と思うとき」

友達みんなから見捨てられ、ずっとひとりぼっちで、もうどうしようもない、神さまなんていやしないと、絶望のどん底に落ちてしまったとき、たったひとりだけ味方になってくれる人があらわれ、とてもよく助けてくれた。そんな良いことがあったり、そんな良い…

299  「ときに難しく思っても、詩を読み続ける希望を与えられました」

「詩のなぐさめ」(池澤夏樹、岩波書店、2015年) 詩は青年のものだろうか。数十年遅れ、五十代半ばにして、ようやくリルケやランボウを寝しなに読み始めたぼくは、詩には難しいものがあると痛感し、それはやめて、わかりやすいものだけにしようかと迷ってい…

(1) 「ついて来なさい」

聖書を見ますと、弟子たちは、「来なさい。そうすれば分かる」とか「わたしに従いなさい」とかいうように、かなり乱暴にも思える仕方で呼びかけられたのをきっかけに、イエスについて行き始めています。 けれども、これは問答無用の誘拐でもなければ、強引な…

298  「イエス現象二千年の堆積から現われ出る世界の叡智」

「イエス伝」(若松英輔、中央公論新社、2015年)「イエス伝」とは何でしょうか。「家康伝」と言えば、家康生涯の言動について歴史家や作家が記した書物を指します。つまり、「家康を伝える」物語のことです。では、若松さんの「イエス伝」は「イエスを伝え…

16

「神は御手を動かし ファラオはあなたらを解放する」 神が言われた わたしの民を去らせよ 荒れ野に行かせよ わたしに会わせよと 神がどうした 神など知らぬ そんな奴の言うことなど聞かぬ 民は行かせぬ 神がわれらに現れた 荒れ野までここから三日 民を行か…

297  「怒りや恐れ、周縁化された人びと、永遠なるフォースというテーマ」

「スター・ウォーズ [フォースの覚醒] 予習復習最終読本」(河原一久、扶桑社、2015年)今回、エピソード7公開を機に、1〜6をDVDで観てみました。どんな映画でもシアターで観たあと、パンフレットで話を確認したり、理解深めたりするように、この六作を観…

296  「帝国・皇帝との闘いが意味するもの」

「スターウォーズ学」(清水節・柴尾英令、新潮新書、2015年)2015年末の新作公開を機に、過去六作を一挙に観てみました。映画館で観たものもあれば、テレビで放映されていたのをチラミしたのもありましたが、六作を「シリーズ」として通して観たのは、今回…

298  「イエス現象二千年の堆積から現われ出る世界の叡智」

「イエス伝」(若松英輔、中央公論新社、2015年)「イエス伝」とは何でしょうか。「家康伝」と言えば、家康生涯の言動について歴史家や作家が記した書物を指します。つまり、「家康を伝える」物語のことです。では、若松さんの「イエス伝」は「イエスを伝え…

16

「神は御手を動かし ファラオはあなたらを解放する」 神が言われた わたしの民を去らせよ 荒れ野に行かせよ わたしに会わせよと 神がどうした 神など知らぬ そんな奴の言うことなど聞かぬ 民は行かせぬ 神がわれらに現れた 荒れ野までここから三日 民を行か…