2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「主の祈り」とは、新約聖書の福音書において、イエスが教えたとされる祈りのことです。キリスト教の礼拝でも毎週唱えられています。けれども、本書では、この祈りが、多くのキリスト教徒が持つイメージとは、かなり違う姿で描かれています。 たとえば、「主…
人は、世界の根源、永遠なるもの、目に見えないもの、奥底にあるもの、超越者、あるいは、神と呼ぼうと、それに触れた時、それをどのように表現するのだろうか。この本にはそのいくつかの道が紹介されている。 高村光太郎が「作る蝉は、岩手の山を飛ぶ蝉であ…
21世紀に入ってからの「浄化」により一変したというが、沖縄にはいくつもの売春街が存在した。これは文庫本450頁にわたるそのルポルタージュである。 日本中、世界中の売春街には歴史があり出現した背景があるはずだが、沖縄ではどうだったのか。 「凄絶な地…
旧約聖書学者の大島力さんが、街の教会の礼拝でした説教集。さりげなく学問的成果が散りばめられていますが、難しくはなく、むしろ、神の愛がやさしく伝わってきます。 出エジプト記三章二節に「柴は火に燃えているのに、柴は燃え尽きない」とあります。大島…
アジア諸国への、そして、沖縄への、日本は加害国であり、その「国民」であるぼくは加害者である。沖縄の前に立つとき、ぼくはこの考えから離れることはできない。 「大江健三郎さんのように、大げさに言うと沖縄に足を向けられないというか、贖罪意識を背負…
誤読ノート679 「今は時間の通過点か、それとも、頂点か」 「親鸞抄」(武田定光、ぷねうま舎、2013年) わたしたちは過去を思い出し、未来を想像する。けれども、思い出し、想像するのは、いつも今だ。思い出す時、時計の針が過去に戻っているわけではない…