2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

684  「ルカは主の祈りの一節を別の所に移動しちゃった」・・・「最も偉大な祈り 主の祈りを再発見する」(J. D. クロッサン、日本キリスト教団出版局、2022年)

「主の祈り」とは、新約聖書の福音書において、イエスが教えたとされる祈りのことです。キリスト教の礼拝でも毎週唱えられています。けれども、本書では、この祈りが、多くのキリスト教徒が持つイメージとは、かなり違う姿で描かれています。 たとえば、「主…

683  「永遠の源へのいくつかの扉」・・・「言葉を植えた人」(若松英輔、亜紀書房、2022年)

人は、世界の根源、永遠なるもの、目に見えないもの、奥底にあるもの、超越者、あるいは、神と呼ぼうと、それに触れた時、それをどのように表現するのだろうか。この本にはそのいくつかの道が紹介されている。 高村光太郎が「作る蝉は、岩手の山を飛ぶ蝉であ…

682  「日米による沖縄蹂躙のもうひとつの証言」・・・「沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち」(藤井誠二、2021年、集英社文庫)

21世紀に入ってからの「浄化」により一変したというが、沖縄にはいくつもの売春街が存在した。これは文庫本450頁にわたるそのルポルタージュである。 日本中、世界中の売春街には歴史があり出現した背景があるはずだが、沖縄ではどうだったのか。 「凄絶な地…

681  「慈愛に満ちた旧約聖書の神」・・・ 「自由と解放のメッセージ: 出エジプト記とイザヤ書から」(大島力、2022年、教文館)

旧約聖書学者の大島力さんが、街の教会の礼拝でした説教集。さりげなく学問的成果が散りばめられていますが、難しくはなく、むしろ、神の愛がやさしく伝わってきます。 出エジプト記三章二節に「柴は火に燃えているのに、柴は燃え尽きない」とあります。大島…

680  「沖縄消費者の反省」・・・「沖縄の街で暮らして教わったたくさんのことがら--「内地」との二拠点生活日記」(藤井誠二、論創社、2022年)

アジア諸国への、そして、沖縄への、日本は加害国であり、その「国民」であるぼくは加害者である。沖縄の前に立つとき、ぼくはこの考えから離れることはできない。 「大江健三郎さんのように、大げさに言うと沖縄に足を向けられないというか、贖罪意識を背負…

679  「今は時間の通過点か、それとも、頂点か」・・・「親鸞抄」(武田定光、ぷねうま舎、2013年)

誤読ノート679 「今は時間の通過点か、それとも、頂点か」 「親鸞抄」(武田定光、ぷねうま舎、2013年) わたしたちは過去を思い出し、未来を想像する。けれども、思い出し、想像するのは、いつも今だ。思い出す時、時計の針が過去に戻っているわけではない…