2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

738「若者に届けば、すべての聴き手に届くかも」・・・「若者に届く説教: 礼拝・CS・ユースキャンプ」(大嶋重德、2019年、教文館)

ぼくの参考になった点を書き出してみます。 〇聴き手が「ああ、自分に語りかけられている」と思うようなメッセージ。 〇説教の目的は、聴き手がイエス・キリストご自身と出会うこと。 〇説教が「神さまの言葉」として「聞こえてくること。 〇情熱的、心をこ…

737 「何が違うべきで、何が同じであるべきか」 ・・・ 「「みんな違ってみんないい」のか? ――相対主義と普遍主義の問題」(山口裕之、ちくまプライマリー新書、2022年)

タイトルを見ますと、多様性を否定している、と誤解されるかもしれませんが、そうではありません。 「「正しさは人それぞれ」や「みんなちがってみんないい」という主張は、本当に多様な他者を尊重することにつながるのでしょうか」(p.3)と著者は言っていま…

736 「歴史上は存在しないものが出現するような類の時間」 ・・・ 「ダブル・ヴィジョン―宗教における言語と意味」(ノースロップ・フライ、新教出版社、2012年)

前書きによれば、「伝説的な学部生向けの授業で、フライが釘を刺して言ったのは、聖書が歴史的に正確な場合、それは偶然そうであるに過ぎず、聖書の記者は事実を伝えることにこれっぽっちの関心も持っていなかったということだった。彼らには語るべき物語が…

735 「奴隷の自由」・・・ 「〈真実〉の奴隷」(武田定光、因速寺出版、2022年)

武田さんの本は何冊か読んだが、読んでいて、とても気持ちが良い。武田さんは、因速寺の住職だが、仏教や浄土真宗が正しい、信じれば救われる、などとは言わないからだ。 よく勉強しておられる。ただ者ではない。 「昔、ブルトマン(神学者)が、「非神話化…

734 「安易に答えを出すな、苦しんで考え抜け」 ・・・ 「ヘーゲル哲学に学ぶ考え抜く力」(川瀬和也、光文社新書、2022年)

「100分で名著 ヘーゲル『精神現象学』 」で斎藤幸平さんが紹介していたので読んでみました。 書名に「考え抜く」とありますが、これは、「アナロジー思考」や「アンラーン」と並ぶ「哲学の基本スキル」(p.15)と、著者の川瀬さんは言います。 アナロジー思考…