2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

番外編

映画「風立ちぬ」宮崎駿「この映画は戦争を糾弾しようというものではない」と宮崎さんは記しているが、映画を観て、過去の戦争を反省し、二度と戦争をすべきでないというメッセージを受け取っても曲解ではなかろう。うろ覚えだが、「人殺しや金儲けのために…

116  「著者が言う、生きることを好きになるとは、楽に生きることではなかろう」

「きみの町で」(重松清、2013年、朝日出版社) ミロコマチコさんの絵とのコラボ。 子どもの読者を考えて書かれているが、いや、それゆえに、おとなをも「考える人」にしてしまう。 電車の中、教室、登下校道は、哲学に満ちている。 重松清の筆にかかれば、…

115  「悲しまないことではなく、悲しむことによって」

「悲しみを生きる力に 被害者遺族からあなたへ」(入江杏、2013年、岩波ジュニア新書) 失業してしまった人、何度試みても良い結果が出ず希望を失ってしまいそうな人、誰かとの人間関係が壊れてしまった人、親しい人や大切な人に先立たれた人、大地震、大津…

114  「原発とは、日本が腹に呑み込んだアメリカか」

「「幸せ」の戦後史」(菊地史彦、2013年、トランスビュー) 日本社会は勤勉にアメリカ的なものを学んだ末に、アメリカよりもアメリカ的になってしまった。アメリカを単純に模倣したのではなく、日本的な味付けをし、「もうひとつのアメリカになった」(p.32…