2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

253  「天を仰ぎつづけた詩人」

「尹東柱詩集 空と風と星と詩」(尹東柱、岩波文庫、2012年) 詩人は目に見えるものの根源にある目に見えないものを詠う預言者だと言う。ユン・ドンジュは1917年生まれ。1942年、来日。立教大学を経て、同志社大学に入学。1943年7月、治安維持法違反の嫌疑で…

252  「いのちは神の異名だった」

「霊性の哲学」(若松英輔、KADOKAWA/角川学芸出版、2015年) 人から蔑ろ(ないがしろ)にされたと感じたら、ぼくは激しく怒る。これは良くない、プライドだけが高く、がまんが効かない短気な気質のせいだと思ってきた。けれども、この本の最終章で、ハンセ…

251  「死者が作った写真集」

「鎮魂の地図 ―沖縄戦・一家全滅の屋敷跡を訪ねて」(大城弘明、未来社、2015年) 日本の海外侵略戦争は、二千万人とも言われるアジアの人びとを殺し、兵士を殺し、本土空爆を招き、米軍の沖縄攻撃を招き、沖縄住民の四分の一を殺してしまいました。 全滅し…

250  「在日65年、96歳、カナダ人シスターが伝える心のレシピ」

「しあわせは微笑みが連れてくるの」(ジャンヌ・ボッセ、メディアファクトリー、2012年) ぼくのピアノと声楽の先生は、カトリック信者。イースターやクリスマスごとに、このような小さなご本をくださいます。 今回の著者は、日本に来て65年、96歳のカナダ…

249  「米軍と日本政府に抗い続けた70年」

「抗う島のシュプレヒコール――OKINAWAのフェンスから」(山城博明、岩波書店、2015年)辺野古新基地反対行動や 翁長沖縄県知事の 基地移設作業停止指示は 突然降って湧いてきたのではない。 戦後70年、米軍と日本政府が 沖縄を奪い、抑え付け、 蹂躙してきた…