2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「貧者を愛する者」とは、愛の深い信仰者のことではなく、司教たちのことです。つまり、「政治家は有権者の意見を代弁する」というのが実態とは関係のない理念であるように、司教には貧者を愛する者という理念が付されたのです。 しかも、貧者とは経済的な貧…
読み終わらない本とはどんな本なのでしょうか。わたしたちは世界をすっかり理解してしまうことなどできません。人間とは、人生とは何か、知り尽くすこともできません。神や真理は、つかんだと思ったら、神でも真理でもありません。つまり、世界も人間も人生…
「ぞうさん、ぞうさん、おはなが ながいのね」の、まど・みちおさんの詩を、浄土真宗の武田定光住職が読んだ本。 なぜ、これが「佛説」なのか。 「「佛説」とは、「説いた人間に属す出来事」ではなく、それを「佛説」として「受け取った人間に属す出来事」な…
宮澤賢治を主人公にした劇。イーハトーボは賢治の生きた岩手のエスペラント語表記。「列車」は「銀河鉄道の夜」に由来するのでしょう。 門井慶喜という小説家の直木賞受賞作「銀河鉄道の父」を先日読んで、さらに賢治関係を、という思いになりました。 門井…
本書のキーワードのひとつは「コトバ」でしょう。 「文字をなぞっているだけでは十分ではない。文字の奥に言葉を超えたもう一つの「コトバ」を感じなければならない」(p.7)。 「これから「コトバ」と書くときは、文字や声と言った言語には収まらない意味の顕…
村澤さんの「中井久夫との対話」とか「都市を終わらせる」とか「福音と世界」に連載中の「霊性のエコロジー」とかがおもしろかったことがあり、また、広島の山地に移住した友人が開く「里山オイコス」というZOOM集会に参加していることもあって、本書を読む…