2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

524 「近くにいなくても、ふれあい、つながり、つどい、近くある」 ・・・  「弱さのちから」 (若松英輔、亜紀書房、2020年)

わたしの弱さが力になる、というのではない。弱点が利点になるというのでもない。少なくとも、直接的にはそういう意味ではない。 若松英輔さんはつねに聖書を読む人だ。新約聖書の「コリントの信徒への手紙二12章」にこうある。「すると主は、『わたしの恵み…

523 「ぼくの人生の資料を、ネットの向こうの存在しない誰かに」・・・   「首里の馬」 (高山羽根子、新潮社、2020年)

主人公は「沖縄及島嶼資料館」の大量の収集物をスマホで撮影し、SDカードに収める。ある日、そこは閉じられることになる。そこで、彼女は、それらの膨大なデータを、宇宙、深海、地下シェルターに住む三人に送信する。何のために。 「かつて島に暮らす人たち…

523 「ぼくの人生の資料を、ネットの向こうの存在しない誰かに」・・・   「首里の馬」 (高山羽根子、新潮社、2020年)

主人公は「沖縄及島嶼資料館」の大量の収集物をスマホで撮影し、SDカードに収める。ある日、そこは閉じられることになる。そこで、彼女は、それらの膨大なデータを、宇宙、深海、地下シェルターに住む三人に送信する。何のために。 「かつて島に暮らす人たち…

522 「霊性のわかちあい:聖フランシスコ、解放の神学、教皇フランシスコ、若松英輔」 ・・・  「いのちの巡礼者 教皇フランシスコの祈り」 (若松英輔、亜紀書房、2020年)

批評家でありカトリック信者である若松英輔さんが教皇フランシスコの言葉を深く味わう。 「教皇は、アッシジの聖フランシスコが象徴するものとして、貧しさ、平和、被造物への畏敬がある、と語った。『貧しい人』たちと共にあること、真の意味における平和を…