2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

401 「原発はバベルの塔だった」   「日本で神学する: 栗林輝夫セレクション1」(栗林輝夫 (著),‎ 大宮有博 (編集),‎ 西原廉太 (編集)、新教出版社、2017年)

「〇〇の神学」。解放の神学、民衆の神学、フェミニスト神学、エコロジー神学・・・。このような「属格の神学」は普遍的な神学ではない、という言い方を聞いたことがあります。 けれども、ことは反対で、神学は属格になって初めて普遍性を帯びるのではないで…

71  「河を越えれば」

あなたたちは今日 この河を越える そこは正義と恵みが流れる土地 だから、あなたたちは 殺してはならない 盗んではならない 不実であってはならない 隣人が今日 この河を越えてくる 正義と恵みが流れる土地を目指して だから、あなたたちは 殺してはならない…

(76)「自分へのこだわりを手放し、まわりの人や神に心を向けてみましょう」

部活があったため、中学最初の二年間は、子どもたちは塾に行かせませんでした。その代わりに、通信教育の添削教材をやらせていました。けれども、成績があまり良くないので、教科書に即した市販の問題集も買い与えました。三年生になって、はじめて、塾に行…

400 「話し相手。旅の友。イエスは奇跡ばかりが取り柄じゃない」  「キリスト教は役に立つか」(来住英俊、新潮選書、2017年)

聖書を開くと、イエスは、出会う人の難病を癒したり、目を見えるようにしたり、耳を聞こえるようにしたりしています。そんなことはあるはずがない、だから、キリスト教は信じられないと言う人がいます。そういう人に、ぼくは、いや、本当にあったのですよ、…

399 「大空ときんかくし」   「石垣りん詩集」(石垣りん著、伊藤比呂美編、岩波文庫、2015年)

詩人は天からの声を書きとめる、と聞いたことがあります。ならば、詩人は天を仰いでいるのかも知れません。石垣りんさんもそのようです。「私は私の持つ一切をなげうって 大空に手をのべる これが私の意志、これが私の願いのすべて!」 けれども、「家の上に…

398 「ライオンは死して」  「ライオンと魔女と衣装だんす」(C・S・ルイス著、土屋京子訳、光文社古典新訳文庫)

ライオンの名はアスラン。森の王にして、大海のかなたに住む大帝の子息。 「アスラン来たれば 悪が滅び アスラン吼ゆれば 悲しみ癒える 牙の一閃 冬を葬り たてがみふるえば 春めぐりくる」 けれども、魔女にとらわれたエドモンドを救うために、アスランは吼…

70  「これらの主の義を、ぼくらはすべて見てきた」

主は闇に光を創ってくださった 混沌に平和をもたらしてくださった 人にいのちを吹き込んでくださった 皮の衣を着せてくださった カインに撃たれないしるしを付けられた ノアと家族と生物に舟を浮かべてくださった 大水を退かせてくださった アブラハムを狭い…

(75)「死後の世界は言葉では言い表せないけれども、ただひとつだけたしかなことがあります」

もし死後の世界があるなら、そこはどのようなところでしょうか。今わたしたちがいる世界と同じように、時間があり、空間があるのでしょうか。今と同じように言葉や意識をひとりひとりが持っているのでしょうか。 先に旅立ったおばあちゃんは92歳の姿のままそ…

69   「だから、あなたも、寄留者を虐げてはならない」

主を畏れよ 心底から愛し 全身で仕えよ 天は主のもの 地も主のもの その主があなたに 心を寄せ こよなく愛し あなたは今日も 生かされている 心の鎧を脱ぎ捨てよ かたくなになるな 主は、人を差別せず 見返りを求めず 孤児と寡婦を一番に守り 寄留者をもてな…