2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

268  「置き去りにした死者と悲しみを迎えに行こう」

「君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた」(若松英輔、2014年、河出書房新社) きれいですよね。美しいですよね。 悲しむ人に、若松さんがこう言ったのを聞いたことがある。 悲しみが美しいとはどういうことだろう。 「悲しみは、人間がこの世で感じるも…

267  「大きな風に抱かれて」

「遺稿集「南無アッバ」の祈り 井上洋治著作選集5」(井上洋治、2015年、日本キリスト教団出版局)遠藤周作さんらのような作家たちと志をわかちあったり、大きな霊感をあたえたりした井上洋治神父。深いが、難解ではない、感じやすい一冊。イエスの息吹がや…

266  「現世で宗教の平和理念を実現させることについて」

「創価学会と平和主義」(佐藤優、2014年、朝日新書) 佐藤優好きの同僚が「読み終えたからどうぞ」と譲ってくれた。「集団的自衛権に関する昨年の閣議決定を公明党が骨抜きにした」という宣伝句に少し惹かれてはいたが、自分では買うには至らないでいたとこ…