2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

475 「詩人は偶像崇拝を斥ける」・・・「別冊NHK100分de名著 読書の学校 若松英輔 特別授業『自分の感受性くらい』 (教養・文化シリーズ)」(若松英輔、NHK出版、2018年)

偶像崇拝はどうして禁じられるのでしょうか。それは、神ではないものを神として崇めるからです。たとえば、信仰のように見なされるものでも、それがある時期の自分の思いに固執することであり、自分の奥底につねにあらたに湧き出し続ける声(自分の声である…

474 「自分で自分を編集し続けた生涯」・・・「鶴見俊輔伝」(黒川創、新潮社、2018年)

474 「自分で自分を編集し続けた生涯」 「鶴見俊輔伝」(黒川創、新潮社、2018年) 鶴見俊輔は、自分が経験したことや本で読んだことなどをほとんど忘れない記憶力の持ち主だったという。たとえば、「思想の科学ダイジェスト」を編集する際も、二千にのぼる…

473 「差別の根っこと新しい分析」・・・「福音と世界2019年6月号」

特集は「『差別』再考」。 ぼくが差別者であることをあらためて「確認」し、また、差別の「あらたな分析」に触れることができ、まさに「再考」であった。 たとえば、パラリンピック・キャンペーンに見られる、障害は「克服される」べきことであり、障害者は…

472 「キリスト教は古代ヨーロッパのwww.」

「世界史の新常識」(文藝春秋編、文春新書、2019年) 共通一次試験は倫理・社会と政治・経済を選択した。世界史は授業は受けたが、ほとんど身につけていない。そんな人間にも世界史を学びたい年齢が来た。この手の本にも手が伸びる。 同僚の世界史の先生に…

471 「教皇の二本柱:イエズス会精神と民衆」

「教皇フランシスコ キリストとともに燃えて――偉大なる改革者の人と思想」(オースティン・アイヴァリー (著), 宮崎修二 (翻訳)、明石書店、2016年) 教皇フランシスコには、ふたつの柱がある。ひとつは、イエズス会の霊性(信仰、宗教精神)であり、もうひ…