2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

66 「イエスの威嚇的態度、自己絶対化、そして」

「最後のイエス」(佐藤研、ぷねうま舎、2012年) なぜアリマタヤのヨセフはイエスの遺体を引き取ったのか、公生涯以前のイエスの人生にはなにがあったのか、イエスの墓はなぜ空だったのか。日本語で著述する優秀なイエス研究者の一人である佐藤研さん。けれ…

65 「自由で快活、逆説の背後に温かいユーモア」

「寅さんとイエス」(米田彰男、筑摩選書、2012年) この本は、キリスト教関連の本では今年のベストセラーになるかも知れません。というのは、キリスト教徒であるわたしのまわりでも、たくさんの人が読んでいるからです。 わたしの教会でも一度紹介したこと…

64 「われわれには独自なものはなく、すべては授けられたもの」

「フョードロフ伝」(スヴェトラーナ・セミョーノヴァ著、安岡治子・亀山郁夫訳、水声社、1998年) ドストエフスキーの解説本などを読んでいると、ロシアの民衆宗教や思想の風土が気になり始めました。この本がその欲求をぴったり満たしてくれたわけではあり…