2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

470 「授業や宿題で詩を書かされるのが嫌な中学生に」

「詩を書くってどんなこと?: こころの声を言葉にする (中学生の質問箱)」(若松英輔、 平凡社、2019年) ぼくは、何人かの人の前で話をする仕事をしています。ある人びとは、ぼくの話をつまらないと思うようです。けれども、ある人びとは、ぼくの話に慰めら…

469 「哲学者の、到達した場所ではなく、歩んだ道」

469 「哲学者の、到達した場所ではなく、歩んだ道」 「考える教室 大人のための哲学入門」(若松英輔、 NHK出版、2019年) 哲学者の名前や用語をすらすら並べるのは、カッコよく見え、自分もそうなりたいと思って、入門書を手にする人も少なくないでしょう。…

468 「被差別者の現実から聖書を読みなおす」

「『新』キリスト教入門(1)」(新免貢、 燦葉出版社、2019年) キリスト教の一般的な入門書には、聖書に書かれていることの概要、キリスト教史の大まかな流れなどが記されていますが、本書は、まったく違います。 たしかに聖書が何箇所か引用されてはいます…

467 「世界の深奥とわたしたちの奥底にある創造の場」

467 「世界の深奥とわたしたちの奥底にある創造の場」 「創造的空への道 統合・信・瞑想」(八木誠一、 ぷねうま舎、2018年) たとえば、今のぼくの頭の中には、子どもにはこうさせてこうならせたい、これこれこのような手段を用いてこれこれこのような仕事…

466 「体を動かすのが体操、霊を動かすのが霊操」

「霊操」(イグナチオ・デ・ロヨラ、 門脇佳吉訳、岩波文庫、1995年) 体操が体を動かすことであるなら、霊操は霊を動かすことでしょう。 具体的には、たとえば、聖書に出てくるイエスの各場面(・・・誕生、弟子の招き、病人の癒し、嵐を静める、苦しみ、十…

465 「もう一度、あの人と。もう一度、教会へ」

「アンの友達 赤毛のアン・シリーズ4」(モンゴメリ、村岡花子訳、新潮文庫、2008年) ひとは、いちど離れてしまったものと、どのようにつきあっていくのでしょうか。 たとえば、故郷と。たとえば、教会と。恋人と。家族と。 アンのシリーズ。第四巻。アンは…