2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

508 「おだやかでない人生を支えるおだやかな祈り」・・・「短章集 ― 蝶のめいてい/流れる髪」 (永瀬清子、詩の森文庫、2007年)

詩人の生まれるひと月前に、父は、「心をおだやかに」と母とお腹の子のために、祈ってくれたと言います。「その祈りはおだやかとものどかとも云えぬ私の一生をいつもフットライトのように見えぬ角度から照射していたのにちがいなく」(p.118)。祈りとは、叶わ…

507 「自分の内奥で、自分を生かす何か」・・・「対談評釈 イエスの言葉/禅の言葉 」 (上田閑照・八木誠一 、2010年、岩波書店)

「生かされている」と言います。わたしたちは、自分一人の力で生きているのではなく、誰かによって、何かによって、生かされています。まわりの人びとに支えられています。あるいは、たとえば、会ったことはないけれども農業漁業で食をもたらしてくれる人び…