聖書の話を身近な経験に置き替えてみた
こんなやさしい人は他にはいないと思って一緒になったら、じつは、まったくやさしくない人だったということではなくても、じつは、きびしい面も持ち合わせている人だったということはないでしょうか。 生徒や学生がとても伸び伸びしていると思って入学してみ…
ある講演会のことです。講師は皆に聞いてもらおうと一所懸命に話していました。そして、ほとんどの人は、講師の方を向いて、熱心に聞き入っていました。ところが、その中にひとり、話しも聞かずに、じっと下を見て、手をまったく止めることなくひたすら文字…
「最後に愛は勝つ」という歌が流行りました。けれども、愛し続ければその思いはかならず相手に届き、相手もそれに応えてくれると、文字通りに信じている人は少ないのではないでしょうか。多くの人は、通じる愛もあれば通じない愛もあり、叶う愛もあれば叶わ…
ビートルズのレット・イット・ビー♪。タイトルは「あるがままに」と訳されることもあるようですが、歌詞を見ますと、これは、困った時に、イエス・キリストのお母さん・マリアが現われて教えてくれる賢者の言葉、ということになっています。 新約聖書を開き…
国会議員が運転中の秘書の頭を叩いたり、身体特徴への侮辱など罵詈雑言を浴びせたりしたことが問題になっています。一度きりのことではなく、秘書を自分より下位の人間とみなした上での暴言が常習化していたようです。 わたしたちはどうでしょうか。日常的に…
「東京砂漠」という言葉があります。都会の、いや、もしかしたら、人間社会全体の、殺伐としたさまを表しているのではないでしょうか。けれども、ある歌詞では、そんなところでも、「あなたがいれば生きていける」とうたっています。 毎日の仕事や勉強は、そ…
安倍政権が「共謀罪法」を強引に「成立」させました。今回だけではありません。何万人もの市民や野党政治家、学者らが連日激しく抗議をしたにもかかわらず、特定秘密保護法や安保法制も、暴力的な採決で「可決」させてきました。 これだけではありません。県…
安倍政権が「共謀罪法」を強引に「成立」させました。今回だけではありません。何万人もの市民や野党政治家、学者らが連日激しく抗議をしたにもかかわらず、特定秘密保護法や安保法制も、暴力的な採決で「可決」させてきました。 これだけではありません。県…
わたしたちは、いろいろなことが心配です。お給料が下がらないか、会社をクビにならないか、つぎの仕事が見つかるか、見つからなかったらその間どうやって生きて行こうか。これは、非常に深刻な問題です。お金がなければ、すぐに食べることができなくなりま…
先日、ある家庭の食卓で、高校生の子どもがこんなことを言ったそうです。「今度の中間、やべえよ。ゲンブンとエイヒョーとコミュエー、サイテー」。 意味がわかるでしょうか。「今度の中間、やべえよ」とは、「今度の中間テストの結果が不安だ」という意味の…
子どもたちに見せたいものがあります。興味本位の見物ではありません。知ってほしいことがあるのです。被災地のこととか、子ども食堂のこととか、沖縄の米軍基地のこととか、あるいは、人生にはいろいろな選択肢や可能性があることとか。すばらしい文学や音…
ある高校の先生が言っていました。四月になるとクラスがあたらしくなり、生徒同士の関係は、最初はぎこちなかったり、不自然だったりするそうです。ところが、五月、六月になり、「おちのない話」ができるようになると、それが、打ち解けてきた証拠になると…
「レ・ミゼラブル」(「ああ、無情」)という小説はとても有名ですが、文庫本で全四巻にわたる長編であり、ストーリーの展開や場面描写、登場人物のせりふ以外に、著者ヴィクトル・ユゴーの哲学や思想の展開が延々と続くので、作品そのものを読んだことのあ…
死んでしまった人は、今いったい、どこにいるのでしょうか。わたしたちは、「あの人は遠いところに行ってしまった」とか、「空の高いところから見守っていてくれる」などと口にすることがあります。死者との距離を感じているのです。 その人とはどうしたら会…
たしかな証拠が欲しい。わたしたちは不安な問題を抱えているとき、その不安を解決してくれるようなたしかな証拠を求めます。 子どもを高校、大学と進ませるには、受験料、塾費用、入学金や授業料、教材費、学校活動費、部活費など、百万単位のお金を必要とし…
「千の風になって」という歌が大ヒットしました。お墓の前で涙を流す人に向かって、死んだ人が、わたしはここにはいません、ここで眠っているのではありません、空の風に、あるいは、秋の光、冬の雪、朝の鳥、夜の星になって、あなたと同じ世界、さらに言え…
庭にシャクヤクが咲いた、と思ったら、どうもボタンのようです。去年の秋にいただいて、さっそく植えてみたのですが、どんどん葉が落ちて、枝も簡単にポキポキ折れるくらいに枯れてしまいました。もう引っこ抜いてしまおうと思いましたが、まあ、完全に枯れ…
とても嫌なことがあり、傷つき苦しんでいるときに、「気にしない方がいいよ」とか「忘れてしまった方がいいよ」と声をかけてもらうのは、とても感謝すべきことです。けれども、わたしたちは、押しつぶされるような痛みを気にしないようにして気にしなくなっ…
わたしたちは、人が言うこと、人が話していることを、わたしたちの常識によって、判断したり、さらには、断罪したりすることがあります。太陽が地球の周りをまわっている、ということが人々の常識だった時代に、いや地球が太陽の周りをまわっている、と言っ…
「毒をもって毒を制す」という言葉があります。悪人の気持ちは悪人の方がわかるとか、悪人の方が悪人の扱いには慣れている、あるいは、ワクチンのように、毒によって毒を抑える、というような意味合いもあるようですが、以下のような場合もあてはまるかも知…
わたしたちはお腹が空いていると何かを食べたくなりますが、心が空白のときも、まるでそこをギュウギュウ詰めにするかのように、ポテトチップを一袋ぜんぶ食べきってしまうことがないでしょうか。 心や気持ち、精神が満たされないとき、むなしいとき、わたし…
「妹よ」という歌があります。南こうせつさんが歌っていました。明朝、自分の友人と結婚する妹に贈る、夜ふけの歌です。妹は器量があまり良くないから心配したとか(失礼で余計な心配!)、結婚相手は良い奴だからどんなことがあっても我慢しなさいとか、ひ…
「同情」という言葉があります。「同情はやめてくれ」というように、幸福、幸運、立場、能力、成果などにおいて自分は優位だと思っている人が劣位に位置づけている相手を高みから「かわいそうなやつだ」と見下す心情を指すように思われがちです。しかし、文…
子どもたちは、勉強はしないよりもした方が良いと思いますが、親に強く命じられて、それに背くと恐ろしい罰が待っているから、仕方なくする、というよりは、入りたい学校があるとか、興味のあることをさらに詳しく学びたいとか、英語なら英語の必要性を痛感…
子どもらに兄弟の結束の必要性を説くために、毛利元就は、「一本の矢はすぐに折れるが、三本束になると折れにくい」というたとえ話をしました。 詩人は、「その人は優しく美しい」とは言わず、「愛する人の優しさは花に優り、美しさは星に優る」と歌います。…
ユー・アー・マイ・サンシャイン♪ 有名なこの曲を少し日本語にしてみると、「わたしにとってあなたはおひさまの陽射し、あなただけがわたしの陽射し 曇り空でも幸せにしてくれる」といった感じでしょうか。 好きな人と言葉を交わせれば、その声を聞くことが…
プロ野球の圧倒的なホームラン・キング王貞治さんは、中学2年生の時、荒川博さんと出会い、左利きなのにそれまでずっと右打席に入っていたのを左打席で打ってみるように進言され、さっそく試してみると、特大二塁打が飛び出したそうです。これが、のちに王…
プロ野球の圧倒的なホームラン・キング王貞治さんは、中学2年生の時、荒川博さんと出会い、左利きなのにそれまでずっと右打席に入っていたのを左打席で打ってみるように進言され、さっそく試してみると、特大二塁打が飛び出したそうです。これが、のちに王…
大晦日の晩に嫌な夢を見ました。就職先を探しているのですが、その斡旋をお願いした人びとから、「おまえはあの仕事のときはあんな失敗をやらかした」「おまえはあそこの職場ではあんなひどいことをやらかした」と、集中砲火を浴びるのです。とても苦しい気…
「世界のことがわかってきたような気になるのは、わからないものを切り捨てていくからである」。これは「バカの壁」の著者にして解剖学者の養老孟司さんの言葉だそうです。哲学者の鷲田清一さんは朝日新聞のミニコラムでこの言葉を紹介し、(養老さんは)「…