2017-01-01から1年間の記事一覧

負けないいのちの詩64   「戦争も独裁も抑圧も搾取も虚偽も憎悪もない土地へと」

今日、わたしが与える憲法を 誠実に守りなさい そうすれば、あなたたちはいのちを得 平和がみなぎる世界に入ることができる あなたたちの神、主が導かれたこの七十年の 荒れ野の旅を想い起こしなさい あなたたちはこれを守ろうとし これを棄てようとする者た…

392 「侵略してしまった国々に謝罪をし、侵略している国に抗議をする」  「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」(矢部宏治著、講談社現代新書、2017年)

ぼくの読み方が正しければ、この本で著者が言わんとすることはこうだ。 日本の政治は、日米合同委員会によって支配されている。日本の高級官僚と在日米国トップ軍人からなるこの委員会は、憲法や三権よりも上に立つ。 では、なぜ米軍が日本に駐留しているの…

391 「東京出身の沖縄タイムス記者が、沖縄でなす日本政府の暴力と人々の抵抗を誠実に伝えています」

「ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実」(阿部岳著、朝日新聞出版、2017年) テレビのニュースで、菅官房長官をはじめとする安倍内閣の面々が、まったく理屈の通らないことをどうどうと述べ、野党や記者の質問を無視したり斥けたりする…

63   「主はこれらの悪を徐々に追い払われる」

支配者と民の悪がいかに大きくても あなたはうろたえてはならない それよりもはるかに大きく畏るべき神が あなたのただ中におられるから 主はこれらの悪を徐々に追い払われる あなたは悪を一気に滅ぼしてしまうことはできない あなた自身が悪にならないため…

(70)「神は慕わしくも厳しく、厳しくも慕わしいお方です」

こんなやさしい人は他にはいないと思って一緒になったら、じつは、まったくやさしくない人だったということではなくても、じつは、きびしい面も持ち合わせている人だったということはないでしょうか。 生徒や学生がとても伸び伸びしていると思って入学してみ…

390 「新たな戦後に備えるために、いいね!を求めず、言葉を鍛えよう」

「人間の居場所」(田原牧著、集英社新書、2017年) 東京新聞記者、アラブ通、高校時代には三里塚闘争参加、ゴールデン街になじみの酒場がある、元赤軍の長期懲役囚との文通、海釣り好き、トランスジェンダー。 政治の文脈で虚偽やデマが横行する。ならば、…

(69)「こいつが悪い、と即断せずに、もっとじっくり考えてみよう」

ある講演会のことです。講師は皆に聞いてもらおうと一所懸命に話していました。そして、ほとんどの人は、講師の方を向いて、熱心に聞き入っていました。ところが、その中にひとり、話しも聞かずに、じっと下を見て、手をまったく止めることなくひたすら文字…

389 「哲学と宗教の意外な共通点。目に見えないもの=精神、存在が存在することの奇跡」

「14歳からの哲学 考えるための教科書」(池田晶子著、トランスビュー、2003年) カタカナや漢字の哲学者名、その人びとの用語、唱えたこと。この本にはそんなものは出てきません。そうではなく、池田さんが各テーマについて考える、その道筋、あるいは、地…

62   「主は悪を滅ぼされる、恐れるな」

彼らがなす悪に ことごとく抗え ことごとく滅ぼせ 見逃してはならない 見過ごしてはならない 彼らの神に仕えてはならない 金と腕力と錬金術にひれ伏してはならない それらはあなたたちを陥れる罠だ 悪の数は多大で 悪の力は強力で 悪には打ち克てない などと…

388 「神が人を無償で救うのは、敵意の壁を打ち砕き、平和を築くため」

「神の秘められた計画 福音の再考―途上の省察と証言」(後藤敏夫著、いのちのことば社、2017年) タイトルに「神の秘められた計画」とあっても、これは超常現象のことではありません。人と人との間にある防御壁がなくなり、出会い、理解しあい、相互の違いは…

61  「神の戒めを慕う者は、神の約束と慈しみのうちにある」

この不法から この虚偽から この葛藤から 主はかならず解放してくださる わたしたちは信頼する 自分よりも神を信頼し 神の戒めを慕う者は 神の約束と慈しみのうちにある 自分を神とし 自分の戒めを愛する者は 神がその不法を滅ぼされる 人を殺してはならない…

387 「憲法9条に基づいた平和構築を日本と世界で内実化、具体化するために」

「日本人のための平和論」(ヨハン・ガルトゥング著、御立英史訳、ダイヤモンド社、2017年) AとBのあいだに葛藤があるとき、五つの解決法が考えられる。(1)Aの主張が勝つ。(2)Bの主張が勝つ。(3)AB両者の妥協点を見つける。(4)ABが決裂する。(5)ABが満足で…

386 「支配と暴力に打ち克つ三位一体の神」

「現代キリスト教神学 理解を求める信仰 上」(D. L. ミグリオリ著、下田尾治郎訳、日本キリスト教団出版局、2016年) 千何百年も前に生まれた三位一体の教義が、じつは、不正や暴力に満ちた現代社会にとって非常に重要なメッセージを持っている。 本書はこ…

60   「神は民を獄から導き出す」

あなたは、あなたの神、主が 心底から愛される民である あなたの神、主は、 地上のすべての民とともに あなたの手をもつかみ ご自分の最愛の民とされた 主があなたに手を伸ばされたのは あなたの数が多かったからではない あなたはどの民よりも少なかった た…

(68)「最後に愛は勝つか? 事実ではないが、真実だ」

「最後に愛は勝つ」という歌が流行りました。けれども、愛し続ければその思いはかならず相手に届き、相手もそれに応えてくれると、文字通りに信じている人は少ないのではないでしょうか。多くの人は、通じる愛もあれば通じない愛もあり、叶う愛もあれば叶わ…

59   「八つの悪を滅ぼし尽くせ」

あなたたちは他の民の土地を侵略してはならない 民を追い払っても、滅ぼしてもならない あなたたちはあなたたちの土地にとどまれ その土地から八つの悪を追い払え 金・権力の崇拝 独裁・独断・強権・弾圧 民族差別・人種差別・階級差別・空気差別 暴力・軍隊…

385 「なさそうで、ここにあり、遠そうで、わりと近い国」

「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国 」(シルヴァーノ・アゴスティ著、野村雅夫訳、マガジンハウス、2008年) 1日8時間どころか、12時間、15時間と働く人びとが珍しくないようです。ほんとうにそんなに働かないと利益があがらないのでしょうか。 コ…

384 「見上げてごらん、高い空を、一分間」

「死ぬまでボケない1分間“脳活”法」 (帯津良一、鳴海周平、ワニブックスPLUS新書、2017年) ボケたくない、ということではありません。「ボケ」を否定的に見ているわけでもありません。 今はましになりましたが、一か月ほど前に、やたらと眠かったり、脳が…

383 「文を続けて文章にするにはWhyと問い続けること」

「マジ文章書けないんだけど」(前田安正、大和書房、2017年) 『この本の前半は退屈だが、後半は教えられることが多いので、皆さんにもお勧めします』。・・・とするよりも、『前半は退屈だった。しかし、後半では多いに教えられた。皆さんにもお勧めします…

58   「主の与えてくださった平和の戒めを」

わたしたちは帝国と帝国憲法の奴隷であったが 主が力ある御手でそこから解放してくださった そして非戦国へと導き入れ 平和憲法をあたえてくださった 主は平和を創り出すように命じてくださったが わたしたちはそれを怠り 帝国軍の駐留と暴虐を許してしまっ…

(67)「レット・イット・ビー♪ ケセラ・セラ♪ そして、なんくるないさ」

ビートルズのレット・イット・ビー♪。タイトルは「あるがままに」と訳されることもあるようですが、歌詞を見ますと、これは、困った時に、イエス・キリストのお母さん・マリアが現われて教えてくれる賢者の言葉、ということになっています。 新約聖書を開き…

誤読ノート382 「非暴力と平和、二千年の系譜」

「山上の説教から憲法九条へ 平和構築のキリスト教倫理」 (宮田光雄著、新教出版社、2017年) 宮田光雄先生の講演と論文集です。論文と言っても、一般読者に歯が立たないようなものではありませんでした。 第1章は「右の頬を打たれたら左の頬をも向けよ」。…

56   「隣人のものを一切欲しがってはならない」

あなたの隣人の土地を欲しがってはならない とりあげて軍事基地を造ってはならない あなたの隣人の海をほしがってはならない とりあげて戦闘滑走路を造ってはならない あなたの隣人の大地を欲しがってはならない とりあげて人びとを入植させてはならない あ…

(66)「悪事に育ちかねない悪意が、わたしたちの心にあることに気付かされる」

国会議員が運転中の秘書の頭を叩いたり、身体特徴への侮辱など罵詈雑言を浴びせたりしたことが問題になっています。一度きりのことではなく、秘書を自分より下位の人間とみなした上での暴言が常習化していたようです。 わたしたちはどうでしょうか。日常的に…

55   「偽証してはならない」

調べたけれどもそんな文書はなかったと偽証してはならない あれは怪文書だと偽証はしてはならない 自分は促していないと偽証してはならない国民を守る法だと偽証してはならない テロ対策だと偽証してはならない 一般人には関係がないと偽証してはならないア…

378 「憎しみが愛に変えられる未来が必ず来る。ならば、それを希望として、今から先取りしてそのように生きようではないか」

「希望の倫理」(ユルゲン・モルトマン著、福嶋揚訳、新教出版社、2016年) 米軍基地建設、安保法制、原発再稼働、共謀罪。これらを強行する政府は、日本国憲法下の日本社会が不十分ながらもなんとか築いてきた民主主義を、いっきょに大日本帝国憲法下レベル…

(65)「味なし御飯にひとつまみの塩を」

「東京砂漠」という言葉があります。都会の、いや、もしかしたら、人間社会全体の、殺伐としたさまを表しているのではないでしょうか。けれども、ある歌詞では、そんなところでも、「あなたがいれば生きていける」とうたっています。 毎日の仕事や勉強は、そ…

54   「盗んではならない」

盗んではならない 欲しいと思って人のものを見てはならない 外国から盗んではならない だまして盗んではならない 武力によって盗んではならない 陸海空軍その他の戦力で盗んではならない 戦争放棄の憲法を奪ってはならない 外国の住民の土地を盗んではならな…

誤読ノート381 「ピアニストと牧師の怪しい接点」

「蜜蜂と遠雷」(恩田陸、幻冬舎、2016年) ぼくは、聖書を読み、「解釈」し、そのテキストのメッセージを汲み取り、何らかの工夫をして、それを数十人の人びとに伝える、という仕事をしています。つまり、キリスト教の牧師です。学者さんは、もしかしたら、…

380 「還暦手前の、陰と日なたの再発見」

「人生の後半戦とメンタルヘルス」(藤掛明著、キリスト新聞社、2016年) ぼく自身は、自己肯定感が低く、その反作用として、承認欲求が強い人間です。それゆえに、「高い位置」に就いたり、「有名」になったり、「才能や実績」が認められたりすることをせつ…