2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

803 「神さまの愛は一方的なのだろうか」 ・・・ 「「愛」の思想史」(山本芳久、NHK出版、2022年)

本書では、プラトン、アリストテレス、旧約聖書、新約聖書、アウグスティヌス、トマス・アクィナスと並べられていて、なんだか難しそうな気がしますが、じつは、そうではなく、それぞれの「愛」についての考えが、とてもわかりやすく簡潔に述べられています…

誤読ノート802 「伝統的なプロテスタントの教会の信仰から旧新約聖書を概観すると」 ・・・ 「神と共に生きる: 聖書の基本がわかる十七話」(長田栄一、YOBEL、2024年)

旧約聖書、新約聖書は、一冊に製本すれば、上下に段組みで二千頁にわたり、そこには、六十六の書物が収められています。 これらの書物は同じ時代に書かれたものではなく、したがって、著者も多数いるのですが、これら全書物を一貫するテーマを見つけよう、言…

801 「資本主義は経済だけの問題ではない」 ・・・ 「資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか」(ナンシー・フレイザー、2023年、ちくま新書)

資本主義は、労働者から「搾取」する(労働で生み出した富に匹敵する賃金を払わない、そうやって労働者の富を奪う)だけではありません。被征服民や人種差別される人びとから莫大な富を「収奪」します。労働者には不当な額であろうと「対価」が払われますが…

800 「異常な正常、正常な異常、自然な不自然、不自然な自然」 ・・・ 「クィア神学入門 その複数の声を聴く」(グリノフ、2024年、新教出版社)

「クィア神学」とは何なのでしょうか。これは定義できません。なぜなら、クィアとは定義を拒む行為だからです。ですから、「クィア」も「神学」も、こういうものだ、とは言い切ることができません。 しかし、「クィア神学」は、LGBTQ+、あるいは、セクシュ…

799 「ことばから出て来た美しい言葉」 ・・・「光であることば」(若松英輔、2023年、小学館)

若松英輔さんの本を読み始めたのは2011年であったように思います。そう思ったら、「魂にふれる 大震災と、生きている死者」、最初に読んだ若松さんの著作は2012年の出版でした。しかし、この1年は、ずれではなく、幅ではないでしょうか。 「死者」。若松さん…

798 「一個であるより一部であること」・・・「母なる自然のおっぱい」(池澤夏樹、新潮文庫、1996年)

著者の長編小説「また会う日まで」を最近読みました。その話をしたら、この「母なる自然のおっぱい」もおもしろいよ、と勧められ、ぼくもここ何年か地球環境危機、自然、土、農、食といったものを読みたいと思っていたので、さっそく入手しました。 ひとつひ…

797 「イエスという人の原像への扉」・・・「携帯版 Q文書」(山田耕太、2024年、YOBEL)

Q文書とは、新約聖書のマタイによる福音書とルカによる福音書が資料とし引用したと想定される仮説上の文書ですが、学問研究によれば、写本は発見されていないものの、存在したことはほぼ間違いないそうです。 そういうことは、40年前、学生時代から聞いてい…