2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧
死があるこそ、生があります。ゆえに、死をなくす、ということは、生をなくす、ということです。つまり、死をなくす、ということは、生きることではなく、死ぬことになるのではないでしょうか。このようなテーマを中心にして、若者と熟年の旅の物語がつづら…
ぼくは職業上読む本の半分はキリスト教関連のものだから、視野が狭くならないように、このような宗教一般を論じる書もときおり読むように心がけています。こういう本によって、考えが広くなるだけでなく、キリスト教そのものの理解が深められるということも…
本書によると、ジョーゼフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」という本では「英雄の旅」というモチーフが語られていますが、それは「スターウォーズ」「ライオン・キング」など、現代世界の様々なストーリーでもおおいに参照されているそうです。今ぼくが再…
【今週の聖書の言葉】 「人はひとりで生きるのではない」 「天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった。それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。だから二人はもはや別々ではなく、一体である」(マルコ10:6-8) 神さまは…
言語はひとつのものをひとつのままで表すことはできません。言語はものごとを細かく分けます。分節します。しかし、分節されたものを足し合わせてもひとつのものにはなりません。言語で言い表されるものだけが分節として残りますが、それ以外は捨てられるか…
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【今週の聖書の言葉】 「最後の者に」 わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。 自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。(マタイ20:14-15) イエスさまのたとえ話のぶ…
2025年10月12日 マタイ20:1-16 「最後の者に」 おはようございます。皆さんは今日のイエスさまのたとえ話を聞いて、どのように思われるでしょうか。これを高校や大学の授業で話しますと、この農園の主人が神さまのたとえなら、神さまは不公平だ、という感想…
釈さんは浄土真宗、若松さんはカトリック。この二人が「宗教の本質」ということで書簡を交わしているのだから、これは二十世紀後半から宗教界で言われてきた「宗教間対話」と呼ばれるもののひとつではないでしょうか。しかし、これはそれぞれの宗教を紹介し…
核兵器や原子力発電など、原子力は人類や地球に決定的破滅をもたらす脅威を持っている。この破滅を回避するにはどうしたらよいのか。本書では原子力を科学技術だけでなく、人間の哲学の課題として考察する。原子力には生命を絶滅させる可能性と力がある。原…
「例話集」とありますが、キリスト教思想の具体的な適応例が読めるのではなく、じっさいは、副題のとおり、「命題集」です。いくつかのテーマごとに、神学者や関連する哲学者の命題、それらをめぐる金子先生の解題が記されています。「人間とは何か」の章に…
2025年10月5日 マタイ19:13-30 「誰が救われるのか」 おはようございます。キリスト教は救いの宗教と言われますが、わたしたちはどうすれば救われるのでしょうか。あるいは、いま、「わたしたちはどうすれば」と言いましたが、「わたしたちが何かをする」の…
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【今週の聖書の言葉】 2025年10月5日 「神さまにはできる」 マタイ19:26 イエスは彼らを見つめて、「それは人間にできることではないが、神は何でもできる」と言われた。 ある人がイエスさまに、永遠の命を得るためにはどんな善いことをすればよいですか、と…
差別を論じる本を続けて読んでいます。その中にこうありました。「ジンメルの著作には、マジョリティ/マイノリティ問題を原理的に考えるためのヒントが豊富にちりばめられている・・・入門的な解説書としてこの本を紹介しておきたい。宝探しの地図として活…
「影との戦い――ゲド戦記 1」は、ゲドが「かげ」と闘う物語だった。 それに続くこの「こわれた腕輪」は、テナーが隷属から解放されていくストーリーだ。あえて両者の違いを言えば、前者は「相手」との死闘であり、後者は自分を束縛する世界あるいは枠組みから…