誤読ノート506 「頭のよさとは『説明力』だ」(齋藤孝)・・・「この本が売れるわけは、タイトルにあります」    

 

 「何かを相手にうまく伝える方法」。もしこれがこの本のタイトルだったら、あまり売れないだでしょう。

 

「説明」を「力」と位置づけ、「頭のよさ」と等置する。しかも簡潔に言い切る。そうすれば、すぐに相手の気持ちを引き付けます。


 この本が教えてくれる、このような方法をいくつか挙げてみましょう。

 

 「皆さん、こんにちは。それにしても、皆さん、お暇なんですね。だから、こんなつまらない話を聞きに来たのですね」・・・大阪の人はここで(つまりボケで)笑うそうですが、東京の人は、「あんたは、お客様に何を失礼なことを言っているの! 皆さん、帰ってしまうよ」というツッコミがあってから笑うそうです。

 

ですから、皮肉やきわどいネタで笑いを取ろうとしないこと。(いままで幾度も笑いを取り損なった理由がわかりました)。

 

 聞き手に「わかった感」を与えること。それには、聞き手の経験や知識に働きかけたり、身体を用いたり、今話していることが話全体のどこに位置しているかを明らかにすること。

 時系列に沿ってではなく、一番伝えたいことを最初に語ること。

 「よく・・・と言われていますが、じつは・・・」、つまり、通説に簡潔に触れ、それを、「しかし」で受け、自分の説を述べること。

 説明しながら、それについての自分の経験を述べること。

 

 人にうまく伝える、こうしたことが本書ではいくつも述べられています。

 ぼくは、人前で話す仕事を何十年もしてきましたが、非常に参考になりました。

 

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