431「詩は宗教以上に神を語る」    「島の四季 志樹逸馬詩集」(志樹逸馬、編集工房ノア、1984年)

 神は目に見えない。だから、宗教用語だけに任せてはならない。

 だから、詩人は詩を詠む。

 「ものの芽の均しく/天を指さす季節が来た」(「春」)

 植物は天への憧れだ。

 「洗濯は/みどりの風に微笑う/清潔なこころが/天にむかって/両手を高くのばす」(「洗濯」)

 洗濯物の中身も、そのまた中身も、天を慕い求める。

 「天はまねき/地はささえる/生きとし 生けるものを/私の十字架も/青空の瞳の中にかかっている」(「青空」)

隔離された島から天を見上げる者を、天もまた見守っている。

 「人が求めるから神があるのではない/求めることを知らないものにも神はある」(「神」)

 天はすべてを包み込む。

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