327  「詩の原石ゆえの安心感」

「そばに いるから」(雨森政恵編、中川肇写真、ドン・ボスコ社、2000年)


草や花、子どもたち、石など、小さな風景に、こんなすてきな言葉が添えられています。


「ある時、小さな本の中から
『自分がしあわせかどうか、問わなくてもよい。
しかし、あなたとともにいる人がしあわせかどうか
問うがよい』
ということばに出会い、感動していた」


「わらっている
あかいりんごの
皮をむくと


りんごは なかで
白いしんけんな顔をしていた」


「どうか わたしのうえに
風船を おとさないでください


じぶんのトゲで
だれかを
きずつけてしまわないかと
いつも 心を傷めています


花が咲いたときだけ
ほんのすこし
つぐないができたような
気分になります」


「だれもいないのに
ぶらんこが ゆれている


こどもたちが
かえってしまったあと


やっと
風の じゅんばんがきて」


まだ詩の原石にとどまっているかも知れませんが、そのぶん、親しみやすいし、安心感があります。


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