2022-08-25から1日間の記事一覧

668「みすゞの死は神を信じなかったゆえか」・・・「金子みすゞの苦悩とスピリチュアリティ」(窪寺俊之、関西学院大学出版会、2022)

金子みすゞの詩は美しく癒される。彼女の詩は目に見えない世界をも詠んでいる。その意味で宗教的である。けれども、窪寺さんは彼女の宗教性についてこう述べる。 「宗教の機能を認知機能・思考機能・信ずる機能と三分類した。その場合、彼女は認知機能は優れ…

667 「極上の神学が、やさしく、深く物語られる」 ・・・「それで君の声はどこにあるんだ?――黒人神学から学んだこと」(榎本空、岩波書店、2022)

この本は神学と深いかかわりを持っているが、文学である。神学は詩でなくてはならない、とかつて思ったことがあるが、そして、じじつ、ぼくが好んできた神学はどこか詩的なのだが、この本は、文学である。文章が水彩画のように美しい。 ところで、副題に「黒…