映画「オン・ザ・ロード」 (ウォルター・サレス監督、2013年)
草なんか食ってなかった60年前の若者たちの過剰な肉体。
原作は、「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」の1-1として、青山南訳で出されていたのに誘われて、少し前に読んでいました。でも、ストーリーもメッセージもあまり頭に残っていなかったので、復習のつもりで、映画を観ることにしました。
1950年前後の合州国とメキシコを若者たちが車で爆走、数度の旅。ひとりは作家。ひとりは自動車泥棒を繰り返しブチ込まれ出てきたばかりのアウトロー・野生児。野生児のつれあい。イカレた友人たち。ド〇ッグ、セッ〇ス、アルコ〇ル。これらの常用者は「共産主義者」と同じ扱いをされたという話もある、冷戦下、全体主義的な空気が漂う時代。
作家は作品の成功とともに(?)やがて「落ち着き」はじめるが、アウトローはあいかわらずの路上生活。ほんのそこまで乗せて行ってくれ、という野生児の頼みを作家は申し訳なさそうに断る。
大人になってしまうやつ。
大人になりきれないやつ。
若者のままのやつ。
日曜日以外は、聖書と祈りの会でも勉強会でも面談でも事務室でも、ジーンズとTシャツ、カジュアルシャツ(お金があり、気に入ったものがあればEddieのとか・・・)で過ごし、選挙で「〇〇委員」や「〇〇長」などに決して選んでもらえないボクはどれだろう。
オレはまだ肉をがっついているか、オレはまだ嫌がられても平気でいられるか、
オレは枕にしがみついていないか、オレは過剰さに委ねているか・・・
牧師っていうだけで、じゅうぶん権力的になっていないか・・・
鑑賞後のランチを、肉が二段のではなく、アボガドとオニオンに挟まれたハンバーガーにしてしまったオレの宿はどこだろう。