2013-10-03から1日間の記事一覧

131 「生家の父は認知症、故郷は地震と津波」

「還れぬ家」 (佐伯一麦、新潮社、2013年) 私小説を執筆中に、舞台の故郷の地面が波打ち、ビルのような濁流に呑み込まれたら、作家はどうするでしょうか。 この小説は、認知症の父、介護にあたる母、妻、幼少期からの心的外傷を抱える「私」、そして、そう…