(3)1:10-12「みなが一致して」

1:10さて、兄弟たち。私は、私たちの主イエス・キリストの御名によって、あなたがたにお願いします。どうか、みなが一致して、仲間割れすることなく、同じ心、同じ判断を完全に保ってください。

 「みなが一致して」、これは単なる願望ではなく、「主イエス・キリストの御名による」希望です。パウロは自分の思いではなく、主イエス・キリストの御心に照らして言っています。つまり、コリントの人々が「自分たちは優れている、彼らは劣っている」、「自分たちは正しい、彼らは間違っている」と争いあうことをイエス・キリストは悲しんでいる、と言うのです。この思いを乗り越えて、これは「主イエス・キリストとの交わり」(1:9)であることを思い出して、一致してほしい、これがパウロの祈りです。「同じ心」「同じ判断」とパウロは言いますが、これも皆が「主イエス・キリストの交わり」にいるということでしょう。のちに、パウロは、ひとりひとりは、手、足のように違う形をし、違う役割があるが、皆、イエス・キリストという体につながっていることを忘れないでほしいと言います。これこそが「同じ心、同じ判断を完全に保つ」ということなのです。

(※雑誌「百万人の福音」(2008年9‐12月)に掲載されたものです。新改訳聖書から引用しています。)