一コリント(20)「人間を誇ってはいけません」

3:21-23

3:21 ですから、だれも人間を誇ってはいけません。すべては、あなたがたのものです。

 コリントの教会には争いがあり、ある人々はパウロを賞賛し自分たちは正しいと誇り、ある人々はアポロを持ち上げ自分たちこそ正しいと誇っていたようです。けれどもパウロは「人間を誇ってはいけません」と言い、そして、「パウロであれ、アポロであれ・・・あなたがたのものです」(3:21)と続け、さらに4章1節までには、「あなたがたのもの」「キリストのもの」「神のもの」「キリストのしもべ」とあります。つまり、「あなたがたのもの」とは「あなたがたのしもべ」ということであり、パウロは、自分たちは賞賛されるような者ではなく、むしろ人々の「しもべ」(4:1)であると言いたいのだと思います。また、「あなたがたはキリストのもの」(3:23)と言うことで、コリントの人々やわたしたちに、自分が正しいと誇るのではなく、むしろ、「キリストのしもべ」(4:1)になりなさい、いや、すでにそうであることを思い出しなさいと言って、争いを戒めているのではないでしょうか。

(※雑誌「百万人の福音」(2008年9‐12月)に掲載されたものです。新改訳聖書から引用しています。)