(15)「まだ肉に属している」

3:3-4

3:3あなたがたは、まだ肉に属しているからです。あなたがたの間にねたみや争いがあることからすれば、あなたがたは肉に属しているのではありませんか。そして、ただの人のように歩んでいるのではありませんか。

 コリントの教会の中には争いがありました。ある人々は「私はパウロにつく」(3:4)と言い、ある人々は「わたしはアポロに」(同)と言っていたのです。そして、「パウロよりアポロの方が正しい、だから自分たちの方が正しい」「アポロの方がパウロより優れている、だから自分たちの方が優れている」と言いながら、たがいに見下したり、ねたんだりしていたのではないでしょうか。パウロはこれを見て、「あなたがたは、まだ肉に属している」と言います。肉欲があるから争いあっている、というよりも、キリストの心から離れてしまい、争い合っている状態を「肉に属している」と表現したのでしょう。そして、その反対に、キリストが十字架という弱さ、愚かさ、苦しみを担ってくださったことを心に深く刻み込み、自分たちもキリストの十字架に従って、知恵や力を誇りあわず、むしろ、弱さを認め合い、赦しあう生き方を、「御霊に属する」(3:1)と言い表したのではないでしょうか。

(※雑誌「百万人の福音」(2008年9‐12月)に掲載されたものです。新改訳聖書から引用しています。)