(39)「情の燃えるよりは」

7:9しかし、もし自制することができなければ、結婚しなさい。情の燃えるよりは、結婚するほうがよいからです。

 この言葉は「結婚していない男とやもめの女」(8節)に向けられています。パウロもそのような男性の一人です。そして、パウロは「男が女に触れない」(1節)生き方を選んでいます。しかし、誰もが「私のようにしていられる」(8節)わけではなく、「姦淫をする者」(6:9)がいると知っています。パウロにとっては、人をただ性欲の対象として扱うだけの姦淫、「情の燃える」に身を任せた「貪欲」(6:10)で「略奪」(同)のような行為が一番の問題なのです。それは「兄弟に対して、不正を行う、だまし取る」(6:8)ことなのです。それを避けるためなら、「結婚するほうがよい」とパウロは考えます。けれども、結婚はたんにそれだけでなく、結婚には、相手の心も体も大事にし、おたがいにそのために仕え合うというゆたかさもあります。結婚は誠実なパートナーシップが実現される場でもあるのです。ですから、パウロは信者でない配偶者を安易に離縁することを認めないのです(12節)。

(※雑誌「百万人の福音」(2008年9‐12月)に掲載されたものです。新改訳聖書から引用しています。)